日テレ24時間テレビ「両国開催」の思惑

2019年03月19日 11時00分

24時間テレビのメイン会場に決まった両国国技館

 日本テレビは、夏の風物詩「24時間テレビ42」(8月24~25日)のメインパーソナリティーを5人組グループ「嵐」が務めると発表した。例年通りの日程なら今年は日本武道館が使用できないため注目されていた代替のメイン会場は、本紙既報通り、東京・両国国技館となった。様々な候補地から国技館を選んだことには、日テレの深謀遠慮が隠されているとか…。

 新元号で迎える初めての24時間テレビで、メインパーソナリティーを任されたのは、2020年末をもって活動休止に入る嵐だ。5人が大役を務めるのは、6年ぶり5回目となる。

 メインパーソナリティーと同時に、メイン会場の選定も注目されていた。例年、日本武道館を使用してきたが、今年は8月25日から世界柔道が開催されること、さらにその後は東京五輪に向けて改修工事に入ることから、日程を繰り上げない限り使用できない状況になっていたからだ。

 本紙は両国国技館が最有力ながら、日本武道館近くの法政大学の体育館や靖国神社、東京国際展示場が代替候補として挙がっていることを1月に報じた。日テレ内で何度も検討を重ねた結果、両国国技館に決まった。24時間テレビのメイン会場選定において考慮されたのは、「チャリティーマラソン」のゴール地点となるため警備の問題、また多くのスタッフや視聴者が集まれることなどだった。だが、それだけではないのが、日テレが民放の王者たるゆえんだ。そこには冷徹な戦略が隠されていた。

「両国国技館は日本相撲協会の持ち物です。24時間テレビを機に、近年は緊密ではなかった相撲協会との関係を良くしようという狙いがあるのです。元横綱の稀勢の里は引退しましたが、貴景勝の大関取りなど、話題は尽きませんからね」と日テレ関係者。過去に日テレは「大相撲最強決定戦」というトーナメント大会を放送していたが08年を最後に途絶え、それから相撲協会とは疎遠になっていた。

 さらに視聴率争いをしている最大のライバルのテレビ朝日と相撲協会の関係がこじれていることも、日テレの相撲協会接近に拍車を掛けている。「昨年2月、元横綱日馬富士の暴行騒動の渦中にあった元貴乃花親方の独占インタビューがテレ朝の特番で放送されました。これに対し相撲協会は必要な申請書類が提出されず、肖像権が侵害されたと激怒したんです。実は、まだこの問題がくすぶっており、テレ朝と相撲協会の関係は今も悪いのです。日テレはその間隙を縫って相撲協会との関係を強化しようという作戦です」とテレビ局関係者。

 昨年11月、日テレの朝の情報番組「スッキリ」に河野景子と離婚した直後の元貴乃花親方が電撃生出演した。日テレはテレ朝以上に元貴乃花親方と緊密な関係なのだが、別の日テレ関係者は「相撲協会を退職した後なので、何の問題にもなっていない」。

 現在、日テレとテレ朝は視聴率民放トップの座を激しく争っている。日テレは2月の月間視聴率「3冠王」を獲得し、年間でも5年連続で3冠を守っているが、虎の子の日曜のバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」がテレ朝の「ポツンと一軒家」に敗れる(2月24日、3月10日)など、安穏とはしていられないほど切羽詰まっている。敵の敵は味方…日テレが相撲協会に近づいているのはこういう思惑もあるのだ。