コカインを摂取したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が、当局の調べに「ストレス解消のために使った」と供述していることが17日、新たに分かった。自然体に見えた瀧容疑者だが、それでもストレスをためていたのか…。
捜査関係者によると、瀧容疑者は「20代のころからコカインや大麻を使用していた」「やめていた時期もあった」などと供述。関東信越厚生局麻薬取締部は動機や使用時期などを詳しく調べているが、瀧容疑者はこう供述しているという。
「ストレス解消のため」
気になるのは、そのストレスの中身だ。石野卓球(51)と組む音楽ユニット「電気グルーヴ」は日本のテクノシーンで確固たる地位を築き、人気が衰えることはまず考えられない。瀧容疑者を知る人物いわく「卓球とは高校時代からの付き合い。瀧容疑者にとって最も“素”でいられるのが電気での活動だったといいます」。
俳優業も順風満帆。次から次へとオファーが来るほどの状況で、来年のスケジュールもすでに埋まっていたというが…。
「最近はあまりに忙しすぎた。現場で悩んでいる様子は見せなかったが、容量オーバーしていたのかもしれない」
そう推察するのは芸能プロ関係者。瀧容疑者は10日に大阪市で電気グルーヴのライブに出演後、11日に東京・世田谷区の自宅に帰宅。逮捕当日の12日はNHK大河ドラマ「いだてん」の撮影をしていた。
コカインは別名「消える薬物」とも呼ばれ、効果は30~40分で切れ、尿検査での陽性反応は使用後24時間程度までしか出ないとされる。瀧容疑者は尿検査で陽性反応が出ていた。
「逆算すると逮捕当日に使用した可能性が高い。つまり『いだてん』の収録前、もしくはその合間。栄えある大河ドラマの撮影に臨むにあたり、コカインなしでは乗り切れないほど追い込まれていたのではないか」(同)
2017年10月の「週刊文春」のインタビューで瀧容疑者は「身の丈以上のことをすると、痛い目をみる。運がいいとき、うまく回っているときに増長しないように気をつけてます。もともとないものをテーブルに乗っけると倍返しになって返ってくる」と、戒めのように語っている。
この時点よりも多忙になり、心と体のバランスを崩してしまったのか。
なお、麻薬取締部は自宅から押収したストロー状に丸められた韓国のウォン紙幣やたばこの巻き紙の鑑定を進めている。
麻薬事情通は「紙幣を使っていたということは、鼻から直接吸うという“上級者”のスキルがなかったのかもしれず、重度の中毒ではなかったかも。また、海外紙幣だと不特定多数の指紋がついてますし、紙幣からコカインが検出されても、『過去にこの紙幣を持ったことのある誰かが使ってた』と言い訳ができます。世界でもっとも紙幣に付着している環境汚染物質はコカインだという研究結果がありますからね」と語っている。