米有名大学への不正入学贈収賄事件でハリウッド女優ら50人逮捕

2019年03月14日 16時30分

米ロサンゼルスの連邦裁判所に入るハフマン被告(ロイター)

 米国の名門大学への入学手続きをめぐり、大学関係者や親ら50人が贈収賄容疑で逮捕・起訴されるという同国で前代未聞の事件が発覚。逮捕者の中には人気ドラマ「デスパレートな妻たち」のフェリシティ・ハフマン被告(56)や同「フルハウス」に出演したロリ・ロックリン被告(54)ら主演級の著名女優も含まれ、ハリウッドセレブを巻き込む大騒動に発展している。

 米司法当局は12日(日本時間13日)、スタンフォード大学やエール大学など、トップクラスの大学7校に子供を不正に入学させるため、仲介業者を通じ、大学への推薦権限があるスポーツコーチや試験場の監督官に賄賂を渡したり、それを受け取ったりしたとして合わせて50人を逮捕・起訴したと発表した。

 AP通信などによると、逮捕された仲介業者はウィリアム・シンガー被告(59)。不正入学の請け負いを始めた2011年ごろから、子供1人当たり10万~250万ドル(約1110万~2億7800万円)の金銭を受け取り、計2500万ドル(約28億円)を受け取ったと供述。罪状認否で罪を認めた。

 一方、不正入学を依頼していた親33人の中には人気ドラマ「デスパレートな妻たち」(04~12年)で主人公の一人、リネット役を演じたフェリシティ・ハフマン被告や、人気ドラマ「フルハウス」(1987~95年)で主人公の妻レベッカ役を演じたロリ・ロックリン被告らが含まれているという。

 米芸能サイト「TMZ」によると、ハフマン被告と、夫で映画「シービスケット」などで知られる俳優のウィリアム・H・メイシー(69)は、長女の入試のために“寄付”という名目で、仲介業者に1万5000ドル(約167万円)を支払った。その見返りとして、長女はSATと呼ばれる全国共通試験の試験時間をほかの受験生の2倍与えられたうえ、試験後には間違いを訂正することも許されたという。だが、夫のメイシーは逮捕されていない。

 またTMZによると、ロックリン被告と、夫でファッションブランド「モッシモ」の創始者、モッシモ・ジャヌリ被告(55)は仲介業者に計50万ドル(約5550万円)を支払い、娘2人が高校時代に優秀なボート部の選手だったという偽の推薦状を取得。南カリフォルニア大学にスポーツ推薦枠で入学させたという。実際には娘は2人ともボート部には所属していなかった。

 これまでの調べによると、シンガー被告は受け取ったカネの一部を大学のスポーツコーチらに配分。コーチらは入学希望者の高校時代のスポーツ実績を水増ししたり、ロックリン被告の娘のケースのように、スポーツ経験がない受験生を有望な選手として推薦入学させていた。また、ハフマン被告の場合のように、入学試験の監督官を買収し、不正を黙認させたりしていたという。

 関係した7校には他にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)やジョージタウン大学も含まれる。

 事件を受けてエール大学は「捜査に全面的に協力し、今後は捜査進展のため、さらなる協力を惜しまない」と声明を発表。南カリフォルニア大学は「大学の立場を利用してこのような行為が行われたことは非常に残念。今後、同様の事案が起きないよう努める」としている。

 不正入学した子供たちについて、捜査当局は訴追はしておらず、入学取り消しなどの措置については大学側に任せる方針だという。