コカインを摂取したとして、麻薬取締法違反の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部(通称・マトリ)に逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)。過去に多くの有名人が違法薬物で逮捕されたが、大半は覚醒剤だった。瀧容疑者が使用した疑いがあるコカインはここ数年、国内への流入が増加しているという。捜査関係者は「実は、ここ数年、違法薬物の中でもコカインの国内での押収量が増えている傾向があるんです。特に若者の検挙者が際立っているんですよ」と明かした。

 昨年8月、横浜港のコンテナから約115キロもの大量のコカインが発見され、横浜税関を驚かせたことがあった。2016年には同じく横浜港で荷揚げされたコンテナの中から約95キロのコカインを押収した。過去最高は13年に横須賀市の海岸に漂着した約118キロ。確かにコカインは目立っている。では、なぜコカインが増えているのか。

「まず、禁止された危険ドラッグに代わる薬物として認知されてきた点が挙げられるでしょう。一定の流通があって、手に入りやすく、気分を高揚させる効果がある。入手方法としては、売人ルートが依然としてありますが、最近はSNSやネット掲示板が活用されています。隠語で『チャーリーない?』『チャリンコほしい』といった文言が平然と飛び交っています」(同関係者)

 国内ではひそかに蔓延している実態があるようだ。

「末端価格も覚醒剤が1グラム4万~5万円と最近高くなっているのに対して、コカインは1グラム2万円ほど。そういった手が届きやすいのもあるでしょう」(同関係者)

 常習者の見た目に特徴があるかどうかについては、「一概には言えない」としつつ「鼻から吸引することが一般的なので、常習者の鼻の粘膜はただれています。鼻炎や花粉症でもないのに、しょっちゅう鼻をかんでいるのを捜査官が見たら、疑いを持つかもしれませんね」とした。