ミュージシャンで俳優のピエール瀧こと本名・瀧正則容疑者(51)が12日、麻薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕された。

 瀧容疑者は昨年の東京スポーツ映画大賞で助演男優賞を受賞し、授賞式に出席。その場ではどのような様子だったのか? 担当記者が振り返った。

 映画「アウトレイジ 最終章」で抗争の火種となる花菱会の直参幹部・花田をすごみたっぷりに演じたことがビートたけし審査委員長に評価された瀧容疑者。昨年2月の授賞式当日は早めに到着して、控室で台本に目を通すなど、真面目な仕事ぶり。開宴前には共演者と談笑し、すっかりアウトレイジ軍団の一員という感じだった。

 授賞式の壇上では「北野組の映画に呼んでいただき、そして賞まで頂いて、たけしさんにこうしてほめていただくのがこんなにうれしいものか…」と言葉少なだったが、「組長、頂きました」と、トロフィーを掲げてヤクザ流にあいさつし、会場を大いに沸かせた。

 授賞式終了後は「たけしさんと一緒で至福の時でした」と喜びを語り、「北野組は初めてでどういうふうなのか全くわからなかったが、変に構えずに思い切りやらせてもらった。たけしさんにはそれを許してくれる度量があった。ワンテークしかやらせてもらえないので、ピリッとした緊張感はあったが…」と振り返った。

 悪人役のイメージが強いが、取材時の口調や表情は柔らかく、紳士そのものという感じ。「ウチの授賞式は特殊ですがお楽しみいただけましたか?」という問いには、「どういう感じかあらかじめ存じていましたので…」と、優しくほほ笑んだのが印象的だった。

「次回はどんな役柄で北野組に参加したいか?」と問うと「オーダーなんてできる立場ではない。プロの役者ではないからできることしかできないので…」とあくまで謙虚な姿勢を崩さなかった。インタビュー後には、記念撮影にも気軽に応じるなど、映画で見せるこわもての表情とは異なる一面をのぞかせ、実に気さくな感じであった。