「貴乃花」で自民大揺れ 親方時代の態度を問題視も小沢氏には取られたくない…

2019年03月08日 11時00分

元横綱貴乃花の花田光司氏

 今夏の参院選出馬を否定するも、政治家転身説がくすぶる元横綱貴乃花の花田光司氏(46)を巡り、自民党がOBを巻き込んで大きく揺れている。参院選の比例代表は個人名でも投票できるため、比例候補として出馬すれば大量得票が期待できる花田氏。のどから手が出るほど欲しい人材に違いないが、異論も噴出している――。

 報道陣に対して出馬を再三否定するも、永田町ではそれを「額面通りに受け止めることはできない」という声のあることを本紙が4日発行紙面で報じた花田氏。

 自民党の関係者によると花田氏は先月28日、スポーツに詳しい遠藤利明元五輪担当相に自ら「会いたい」と面会を求め、極秘に会ったという。昨年12月には、遠藤氏が座長を務めたスポーツ議員連盟のパワハラ勉強会に参加。その直後から、同党からの出馬説が一気に加速した。

「党内では、花田氏のほうから自民党OBの森喜朗元首相の側近の遠藤氏に会いたいと言ってきたので、自らの政界進出に関して意思を示したものとみられています。ロサンゼルス五輪男子柔道金メダリストの山下泰裕氏が同席したそうです。大臣経験者の遠藤氏が花田氏を党に推薦すれば、出馬の話が一気に進むのですが、安倍晋三首相や森氏の感触が良くありません…」(自民党関係者)

 森氏は東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長で、かつては日本ラグビー協会の会長も務めた。遠藤氏もラグビー経験者で、森氏とはつながりが深い。森氏と安倍首相が近い関係にあるのも知られているところ。花田氏が出馬に前向きな場合、遠藤氏から森氏を介して、党総裁でもある安倍首相の了解を得るというルートが開けるが、肝心の森・安倍ラインの感触が良くなければ話は変わってくる。

 花田氏の担ぎ出しには異論もある。大反対なのが、花田氏が昨年退職した日本相撲協会と太いパイプを持つ自民党の国会議員たちだという。

 同党議員は「花田氏が遠藤氏と面会した話を聞いた自民党OBが『相撲協会の理事長に頭を下げなかった花田氏が、選挙運動で頭を下げて回る姿など想像できない』と吐き捨てたそうです。このOBは親族が自民党現職議員で、相撲協会幹部がその議員の後援会長を務めている。もし花田氏が政治家になって、相撲協会に口出しするようなことがあれば…。それだけは避けたいんですよ」と明かす。

 花田氏が親方時代、弟子の貴ノ岩(引退)が元横綱日馬富士から暴行された事件で、協会執行部からの協力要請を無視同然に断り続けたことが当時、問題になった。そんな姿勢が政治家の資質として疑問視されているようだ。

 自民党側が花田氏の政界進出に神経をとがらせる最大の理由は、自由党の小沢一郎共同代表が出馬を打診する可能性が高いからだという。

「自民党を裏切って出て行った小沢氏が参院選で花田氏を擁立するのだけは、絶対に阻止したいのが本音です。遠藤氏は花田氏に『小沢氏の自由党から出るぐらいなら、自民党が全面バックアップするから…』と伝えたはずです」(前出の同党関係者)

 花田氏はこうした声をどう受け止め、どんな結論を出すのだろうか。