米アカデミー賞で再注目は異例のスペイン語白黒作品「ROMA/ローマ」

2019年02月23日 16時30分

「第91回米アカデミー賞」授賞式はロサンゼルスで24日(日本時間25日)、30年ぶりに司会者なしで行われるが、異例なのはそれだけではない。

 日本でも大ヒットの「ボヘミアン・ラプソディ」やレディー・ガガ主演「アリー/スター誕生」を巡るオスカーの行方も気になるところだが、実は最も注目を集めているのは「作品賞」「監督賞」「外国語映画賞」など最多10部門ノミネートの「ROMA/ローマ」というメキシコの町を舞台にした全編スペイン語の白黒作品なのだ。

 しかもこの映画、「Netflix」のオリジナル作品。米アカデミー賞史上、動画配信サービスの作品がノミネートされたのはこれが初めて。

 ただし、同アカデミーはノミネート対象として「ロサンゼルス郡内の劇場で連続7日以上上映されること」と「劇場公開前にテレビ放送、ネット配信、ビデオ発売がされていないこと」と規定しているため、配信前に同郡で劇場公開されている。

 映画の題名である「ローマ」とは、イタリアの首都ではなくメガホンを取ったアルフォンソ・キュアロン監督(顔写真)が生まれ育ったメキシコ市近郊の町コロニア・ローマのこと。キュアロン監督といえば、サンドラ・ブロック主演の「ゼロ・グラビティ」(2013年)で米アカデミー賞監督賞を受賞した名匠だ。

 今作品では同監督が自身の幼少時代の記憶をもとに脚本を書き、1970年代初頭の中流家庭とそこで働く家政婦の日常を描いたドラマ映画となっている。キャストはハリウッドでは無名の俳優ばかりだが、演技力は絶賛され「主演女優賞」と「助演女優賞」にノミネートされているほどだ。

 一足先に行われた英国のアカデミー賞では「作品賞」「監督賞」「外国語映画賞」などを受賞。昨年夏のベネチア国際映画祭では最高賞「金獅子賞」に輝き、先月のゴールデングローブ賞でも「外国語映画賞」と「監督賞」を獲得し、ニューヨーク映画批評家協会からは18年の最高作品と大絶賛されている。

 一方、今年の米アカデミー賞は他にも、オスカー女優エマ・ストーン主演の「女王陛下のお気に入り」やスーパーヒーロー映画「ブラックパンサー」など有力作品がひしめき合い、近年例を見ない高レベルの争いになっている。栄光に輝くのは、果たして…。