被害女性が告白「リアルナンパアカデミー」と鬼畜サークル「スーフリ」の接点

2019年02月20日 10時50分

被害を告白したAさん

 塾長と塾生ら計7人が逮捕されたナンパ講座「リアルナンパアカデミー(RNA)」による2017年7月の集団強姦事件の被害者となった女性Aさんが本紙独占取材に応じた。Aさんは約4年前にも性犯罪に巻き込まれたが、その忌まわしい出来事に関わったのが大学サークル「スーパーフリー」の元幹部だったのだ。しかも、Aさんは「スーフリの元幹部とRNAの塾長はつながっています」と衝撃告白。ナンパ強姦組織と鬼畜サークルの驚くべき接点を追った――。

「RNAによる被害がどれほどひどいか。裁判で伝えきれなかったことをお話しします」(Aさん)。RNAでは、ナンパして泥酔させた女性を輪姦し、「和姦の証拠」として撮った動画を塾生のLINEグループで共有していた。

 Aさんは2017年7月31日深夜から8月1日未明にかけて、新宿区で塾生の男2人によって泥酔させられ、レイプされた(2人の男らは18年5月8日に逮捕)。動画を撮影されていたAさんは、塾生らが実刑判決を受けても苦しみから解放されていない。塾長の渡部泰介被告(42=準強制性交等罪で公判中)は塾生らが罪を認めた後も「無罪」を主張している。

 Aさんは逮捕前の塾長からツイッターで誹謗中傷され、バッシングを受ける二次被害にも遭った。ただ、投稿には関係者しか知り得ない事実も含まれていた。実はAさんは約4年前にも性犯罪に遭い、加害者と示談している。その“事件”に大きく関わっていた男が、塾長とつながっていたのだ。

 Aさんは知人の男Bに誘われ、友人女性を伴って飲み会に赴いた。BからCという男を紹介された一行は、Cの自宅で飲み直す。酒やつまみなどの買い出しから戻ると友人がおらず、2人きりとなったAさんはCから無理やりレイプされかけたが、かろうじて逃げ出せた。

 約4日間もふさぎ込んだAさんは、相談のため警察へ向かう。同時に、信頼を寄せるBにも「(実はこういうことをされて)警察に行く」と打ち明けたが、Bは味方するどころか「今回は俺の顔を立てて示談してくれ」と懇願してくる。「Cもカフェで大声で泣きながら土下座していた」(Aさん)。

 示談金も一方的に提示され、相場も分からず言いくるめられた。レイプ未遂から約1週間後に示談は成立した。

 この出来事から2~3か月して、Aさんは驚くべき事実を知る。Bは「スーパーフリー」の元幹部だったのだ。懲役刑を受け出所した後に名前を変えたBは反省するどころか「今も女性をパーティーなどで男にあっせんしている」(Aさん)。味方のような顔をしながら、AさんをCに“売った”のだった。あきれたことに、CはAさんが買い出しに行った隙に友人にも卑猥な行為をしており、友人とも示談している。事実を知る者は、Aさん、友人、B、Cの4人のみだった。

 ところが、塾長の渡部被告は知っていた。なぜか。その答えはすぐに分かる。昨年5月の塾生の逮捕報道の数日後、Aさんの元にBから「久しぶりにご飯へ行こう」とLINEが届いた。「久々の連絡で何かと思いましたが、意図を知って寒気がしました」。疑問に思ったAさんが問い詰めると「塾長から『会えるようにして』と頼まれた」という。スーフリの元幹部Bは塾長の仲間だったのだ。

 塾生が逮捕されれば、同様の事件を起こしている塾長にも警察は目をつける。警察の手が自分に届く前に、Aさんと示談を済ませようという汚い意図は明らかだった。

「昔の経験で性犯罪の立件の難しさ、泣き寝入りする人の多さを知りました。被害者は他にもいると思い、この時は示談しないと決めていました」(Aさん)。警察も塾長とスーフリ元幹部の“会合”は認識している。くしくも、昨年6月に出所したスーフリ代表の和田真一郎元受刑者(44)の“懺悔(ざんげ)録”が14日発売の週刊新潮に掲載されたばかりだ。

 だが、先に出所したBは女性を道具として扱い、RNAと関係を持つ。性根は何ひとつ変わっていない。Bは今も、セックスした女性とは「おかわりしない」と吹聴しているという。スーフリ用語で、1人の女性と2回することを意味する「おかわり」は恥ずべきことという意味不明な道理がまかり通っていた。

 2つの集団の悪意にさらされたAさんは今も通院が欠かせないが「私に続いて被害者の方が出てきてくれたことで、RNAの実態が明るみに出てよかった」と話す。

 しかし、表情を変えて「罪を償ったと取りつくろっても、刑期を終えても、Bのように変わらない人もいる。動画など被害が一生残る今回の事件を思うと性犯罪の刑が軽すぎる。絶対許さない」と拳を握り締めた。

【リアルナンパアカデミー(RNA)】塾長の渡部泰介被告が2008年ごろに設立したナンパ講座。有名大卒の高学歴メンバーら100人以上が在籍。東京・新宿と大阪市にヤリ部屋「ハウス」を所有し、メンバー間でナンパして性交した人数を競い合わせていた。

 カードゲームやダーツに負けた女性に罰ゲームとしてテキーラなどを一気飲みさせ、抵抗できない状態で輪姦するのが特徴。塾長は犯罪逃れのために「和姦の証拠を残せ」と指示。ハメ撮り画像・動画を撮影して、データを組織内で共有していた。それが動かぬ証拠となり、昨年5月8日の逮捕を皮切りに計7人が逮捕され、3人の塾生に最高で懲役7年が言い渡された。

 塾長は強制わいせつなどの罪で懲役3年(保護観察付き執行猶予3年)の前科あり。事件が終わってもレイプ動画流出が懸念となり、被害者の苦悩はなくならない。

【スーパーフリー】早稲田大学を中心としたインカレ(インターカレッジ=大学間)サークル。2003年の事件発覚まで少なくとも5年間は輪姦(「マワシ」と呼称)が常態化していた。被害者は数百人に上り、自殺した女性もいるといわれるが、起訴された事件は3件のみ。学生ら14人が準強姦罪で実刑判決を受け、後の集団強姦罪(強制性交等罪に改正)の創設にまでつながる。

 スーフリ内で「和田サン」と呼ばれ、絶対的代表として君臨した和田元受刑者は当初、容疑を否認していた。05年に最高裁で懲役14年が確定。昨年6月に出所した。

“いけにえ”の女性を献上し、犯行後に女性をなだめて口封じをする「ギャルズ」なる女子メンバーも存在。組織的な犯罪だった。度数96度のスピリタスをベースとした「スーパーヤリヤリサワー」など、女性を泥酔させる手口が横行した。和田元受刑者は週刊新潮の記事(本文参照)で、連絡の取れない被害者への賠償の意向を示している。