“女装娘”窪田監督の最新作の舞台は女子プロレスと地下アイドル

2013年03月29日 23時23分

 ゲイでもないのに女性の格好をする「女装娘(じょそこ)」を題材にした異色映画「僕の中のオトコの娘」(2012年12月公開)で注目される窪田将治監督(38)。3年連続でモントリオール世界映画祭に選出され、海外でも高い評価を受けている窪田監督のオリジナル最新作は、女子プロレスと地下アイドルを題材とした青春ムービー。タイトルは「太陽からプランチャ」。テレビのバラエティー番組との連動企画として製作された「スリーカウント」(2009年公開)以来、アイスリボンとしては3作目だ(2011年公開「CRAZY-ISM クレイジズム」はアイスリボン道場が舞台の作品)。

【ストーリー】輝きたいと願い、夢を追い求める女の子(女子プロレス練習生、地下アイドル)たちと、夢を追うより生活の為にと、撮影をしている若手カメラマンが、自ら仕事へのスタンスに葛藤しながらも、金銭的に恵まれないながらも、ステージで輝くことを求める女の子達と出会い、彼女たちを応援することで変化していく感情を描く青春ムービー。

 やり残したことがあったーー前回のスリーカウントから5年ぶりとなる“女子プロ”の舞台。マイノリティー文化を題材に撮り続ける窪田監督は29日、アイスリボン道場で行われた制作発表会見で「今回は一歩下がった目線、(カメラマン役の)男の子たちが女子プロレスを見て(撮って)どう感じ、どう変化していくのか。役者、女子プロレス、アイドル…その世界で食っていくのは難しい。食う(稼ぐ)ことを目指すのか、夢を目指すのか?夢を追い続ける女子プロレスラー、アイドルに触れたカメラマンの葛藤とか、変化をストーリーの軸に置いていきたい。自分のプロレスに対する見方も変わっているので、それを含めて作りたい」と語った。
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 主役は侍戦隊シンケンジャーのシンケンゴールド役を演じる相馬圭祐。ワキを固めるのは未来戦隊タイムレンジャーの倉貫匡弘、特命戦隊ゴーバスターズの馬場良馬という戦隊シリーズで活躍するイケメン系男優だ。

 アイスリボンは昨年10月、アイドルや他業種から女子プロレスラーになる人材を発掘するため「デビュープロジェクト」(デビューできたら映画出演)を開催。2012年12月31日の後楽園大会「RIBBONMANIA2012」で7人の新人がデビューを果たした(7人は、それぞれが芸能事務所に所属)。プロジェクトメンバーの世羅りさ(21)は「練習生時代に感じていたことを等身大で演じたい」。山口ルツコ(22)は「辛いことや楽しかったこと、プロレスへの熱い思いをぶつけていきたい」。そして235(ふみこ=25)は「やっとつかんだチャンス。精一杯頑張ります」と意気込む。

“前作”スリーカウントでデビューした志田光(アイスリボン)は「集大成の作品。演技のほうでも成長を見せたい」、藤本つかさは「前回とは違うリアルな感情が出せると思います。立花あんなさんをプロレスに引っ張りたい」と語った。

 地下アイドル“代表”としてキャスティングされたのはヘドバンアイドル「アリス十番」。センターを務める立花あんな、早瀬愛夢、渡辺まありら主力メンバーが出演。作品にはアイドルユニット「アリス十番」として、そのままの姿で登場する予定だ。ジェイソンマスクを着用したまま、会見に臨んだ立花あんな(21)は「私たちは歌とダンスだけでなく、ヘドバンなど、体を張っているアイドルグループです。アリス十番のファンにプロレスを知ってもらいたいし、アイスリボンのファンの方にもアリス十番を知ってもらいたい」と語った。アイスリボンの大会でパフォーマンスを演じたこともあるアリス十番。立花は「プロレスラーは戦っているときの表情と、ファンと握手しているときの表情が全然違う。私たちアイドルも2つの表情が出せているのか、自分たちと重ねて見るようになりました」と続けた。

 窪田監督は“恋愛もの”を否定。「日本におけるプロレスという文化はなかなか難しい世界になっている。狭い世界で必死になって頑張っている。僕はそういう世界が好きなので応援したいという気持ちがある。いずれはアイドルの世界もやってみたい」と語った。

 4月からクランクイン、アリス十番のライブの模様の撮影も予定されており、5月25日のアイスリボン横浜大会でクライマックスシーンの撮影が行われる。公開予定は2013年秋。