東京スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者が選ぶ「第61回ブルーリボン賞」(東京映画記者会主催)が6日、東京・千代田区のイイノホールで行われ、主演男優賞は「終わった人」の演技が高く評価された舘ひろし(68)が選ばれた。

 第42回モントリオール国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した舘が、ついに栄光をつかんだ。定年を機に第2の人生を歩み出すサラリーマンを演じた舘は「昔から演技に自信がなく、このような賞を頂いていいのかと思う。運が良かったのだと思う。賞を頂く経験がなかったので、この年になっても、年の割にまともなあいさつができないが、とてもうれしい。感謝します」と控えめに喜びを表現した。

 そこへ司会の新垣結衣(30)が「パパ、おめでとう。11年ぶりかな」と声をかけた。2人は父と娘の心が入れ替わるという内容のドラマ「パパとムスメの七日間」(TBS系、2007年)で共演している。

 新垣は「入れ替わりは分からないことがたくさんあった。撮影前に舘さんが私の楽屋を訪ねてくださり、セリフを入れ替えて練習し、撮影に臨んでいた。ありがたかった。当時、インタビューで『僕の俳優人生は終わった』とおっしゃっていたが、それから11年がたった」と笑わせた。

 本作は俳優としてのキャリアを重ねてきた舘の持ち味がいかんなく発揮された。「ドラマ『あぶない刑事』は共演の柴田恭兵君(67)がアドリブをやっていたが、僕は監督に止められていた。才能がないのだと諦めていたが、今回は監督にこうしたいと相談するとノってくれた」という。

 円熟味を増した〝父〟に新垣はゾッコンで「何年かに1回しかお会いできないので、また共演したい。さっき裏でハグしていただいた。変わらずいいにおいがする」と親子の情を温めると、ステージ上でもハグでサービス。舘も「今年は結衣と2人で何かやりたいな」と親子共演に乗り気だった。

 そんな舘に司会の阿部サダヲ(48)は「俳優仲間で噂になっていることを聞いていいですか? 舘さんは裸にバスローブで現場に入られるんですか?」と質問した。

 これに新垣は「バスローブです。トースターを持参され、パンとコーヒーを食べて『結衣、食べるか』と誘ってくださる」と答えた。舘は「どうせ着替えるんだったらバスローブでということ。パンは超熟です」と表情一つ変えずに語った。

 場内を沸かせた舘は来年、司会を務めることになる。阿部に誘われて司会席に着くと「司会なんてやったことあるわけない。でも、あ、こういう景色なんだ。なるほど」と納得の表情を浮かべた。

 ここで、阿部が台本を指さし「字が小さすぎて読めないですか? 大丈夫ですか?」と、舘が出演中のCMをネタにする。舘は「ハズキルーペ、来年用意して!」と注文をつけた。来年は同製品と、コンビを組む門脇麦(26)が生まれた1992年物のワインが用意されるかも!?