東京スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者が選ぶ「第61回ブルーリボン賞」(東京映画記者会主催)が6日、東京・千代田区のイイノホールで行われ、主演女優賞は「止められるか、俺たちを」での演技が評価された門脇麦(26)が選ばれた。

 今をときめく白石和彌監督(44)が、師匠の故若松孝二監督のもとで過ごした青春時代を描く。若松プロを支えた実在の女性助監督を体当たりで演じた門脇は、ブルーリボン賞初受賞となり「何よりもさっきから『来年、司会できるかな』と心配だった。若松組を知らない中、(弟子の)白石監督らの熱量に奮い立たされ、なんとか現場にいさせてもらった」とあいさつした。

 さらに「作品に関わった皆さんに少しでもいいものとして届けば幸せ。映画を作るのは簡単なことではなく、たくさんの方の苦労がある。それでも多くの人をひきつけるパワーを持ったものなのだと思う。きれいごとかもしれないが、これからも映画にときめき続け、純粋な気持ちを持って映画作りに関わっていけるように、誠心誠意向き合っていきたい」と話した。

 そんな門脇の原動力は「満員電車」だという。司会の阿部サダヲ(48)から「どういう意味? 痴漢ですか」と尋ねられると、困惑しつつ「つい、この仕事は大変だと思いがちで、だんだんと感覚がまひしてくるが、満員電車に乗っていると、皆、働いて疲れるのは当たり前のことで、皆が大変なんだと感じることができる。本当は満員電車に乗るのは嫌」と胸中を明かした。

 同じく司会の新垣結衣(30)は「満員電車でなく、早く車に乗って移動できるようになりたいという意味かと思ったら、そんなに真面目な思いが隠されていたなんて」と感心しきりだった。