東京スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者が選ぶ「第61回ブルーリボン賞」(東京映画記者会主催)が6日、東京・千代田区のイイノホールで行われ、作品賞は「カメラを止めるな!」が選ばれた。

 おなじみのハットにスーツ姿で登場した上田慎一郎監督(34)は「両親が生まれる前からの歴史ある賞を頂いてうれしい。いろんな賞を頂いたが、国内で作品賞は初。たぶん、作品賞には選びにくい作品なのだと思う。とても勇気のある“東スポ映画大賞”に感謝したい」とあいさつした。

 緊張のあまり、ブルーリボン賞をわが東スポ映画大賞と勘違いしてしまった上田監督に、司会の阿部サダヲ(48)は「まさか東スポとは」と的確に突っ込みを入れる。

 上田監督は「緊張してしまった」と苦笑いだが、監督賞に輝いた東スポ映画大賞(授賞式は24日)の存在の大きさ、北野武審査委員長(72)に認められた受賞の喜びが頭から離れなかったようだ。

 300万円の製作費で興行収入31億円を稼ぎ出した上田監督は「ヒットは全く予想してなかった。映像業界の内幕ものなので、一般の方にどれだけ受けるか不安だった。上映後に『役者をやってみようと思います』などと若者から声をかけられることがあり、とてもうれしく思う」。

 阿部から「お金はどこにいくんですか」とゲスい質問をぶつけられると「スタッフ、キャストに追加報酬が出た」と満面の笑みを浮かべた。

 さらに阿部と同じく司会の新垣結衣(30)を前に「半年前まではお二人とこうしてしゃべれるなんて夢のまた夢だった。今でも夢が覚めるんじゃないかと思うことがある。初心のころの青さを失ってはいけないと思う。今週末からワークショップをする。オリジナル脚本を書いて、また若者たちと作品を作る」とおごることなく、さらなる精進を誓った。