1日に放送されたフジテレビ系「バイキング」では、大相撲の鳴戸部屋所属の三段目力士A(20)が未成年の弟弟子Bに対して暴力を含むいじめを繰り返していた騒動を特集した。

 Aは昨年9月から「仕事の失敗の罰」という名目でBに対して柔道の絞め技をかけて失神させようとする行為を繰り返した。同12月からは別の弟弟子に命じて絞め技をかけさせるようになり、実際にBが失神したこともあった。

 こうした暴力は昨年9月から今年1月までの期間に合計10回程度に及んだ。いじめに耐えかねたBは1月中旬、部屋の関係者を通じて師匠の鳴戸親方(35=元大関琴欧洲)に報告。師匠がAに問いただしたところ、本人は事実を大筋で認めた。

 鳴戸親方は協会のコンプライアンス委員会に暴力があったことを報告し、Aには1月場所の出場を自粛させた。B本人と保護者は警察へ被害届を出す意思はないという。

 この問題について相撲リポーターの横野レイコ氏は「24時間一緒に生活していて、親方一緒に住んでいるとはいえ、大広間にずっと見ているわけにはいかない。関取がいれば自覚ができたりするけれど、10代の三段目の子たちは全然自覚もないだろうし、そういうことは起こりやすい環境にあったんじゃないかなと思います」と推測した。

 一方、東国原英夫氏(61)は協会の対応について「今回は対応が早かったと思います。隠蔽体質と言われてきたことを払拭しようという姿勢なんでしょうけど」と評価した。

 しかし、騒動の影響については「こういうのが何回も起きると、新弟子が集まらなくなってしまうんじゃないか」と懸念し「結果的に日本出身の関取、横綱が育たなくなる。相撲界全体のことを考えるとこういうのは、協会をはじめ、部屋の親方、力士さんたちの公人的な自覚も含めて、早く体制を立て直さないと」と警鐘を鳴らした。