【第28回東京スポーツ映画大賞】「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督に監督賞をあげる。一時の日活ロマンポルノあたりの若松孝二さんがワーワー言ってた時代のにおいが少し残ってるんだよな。こういう映画が撮れるのは、時代とカネと若さがうまいことピタッとハマんないとできないわけで。

 だけどさ、問題は次の作品なんだよな。低予算の時はやりたいことをできるけど、何億円っていう製作費がちゃんと出たら、こんな冒険ができるかってこと。それに、また、同じ映画を撮ったら、逆に怒られるだろうし。

 オレはずっとこの映画のことを蛭子能収がデビューした時の漫画だって言ってる。ヘタうま。蛭子があの絵で出てきた時は笑ったけど、今でもあの漫画だから、ヘタうまじゃなく、ただ、ヘタなだけだったっていう。上田監督には、蛭子にならないよう気をつけてほしい。

 そういやオレ、ずっと映画の中でカメラマン役をやったヤツが監督かと思ってたんだ。でも、ある映画賞で上田監督に会ったら、全然違うヤツだったな。