東京映画記者会(本紙など在京スポーツ紙の映画担当記者で構成)が投票で選ぶ「第61回ブルーリボン賞」の各賞が20日、決定。「止められるか、俺たちを」に出演した門脇麦(26)は主演女優賞に選ばれた。

 5年前、R指定映画「愛の渦」でヒロインに抜てきされ、ヌードと濡れ場に体当たりで挑戦。その存在を知らしめた。受賞作「止められるか、俺たちを」は、“ピンク映画の旗手”故若松孝二監督率いる「若松プロダクション」の青春群像劇で、助監督役を熱演した。

 主演女優賞受賞は初めて。門脇は戴冠に喜びつつ「皆さんに、真ん中(主演)に立たせてもらった。うれしいというよりそういう方々(共演者や制作陣)にお礼というのはおこがましいけど、そういうものとして受け止めていただけたらうれしいです」と殊勝に話した。

 今や抜群の演技力が評価され、映画だけでなくドラマやCMに引っ張りだこ。なのに仕事現場へは「電車で移動」しているという。「マスクはしているけど、気付かれないので、まだまだだなと思います」と苦笑。

 車移動に変える希望は「ないですね」と言い切る。「この仕事は世の中から断絶されがち。満員電車に乗るのは、サラリーマンの方とか学生さん。私も頑張ろうという気持ちになります」。普通の庶民感覚を大事にしている。

 ちなみに「門脇麦」は本名。「覚えていただきやすい。小学校の時はからかわれたりしました。『麦茶』とか」とちゃめっ気タップリに明かした。