【東スポ映画大賞】ノミネート決定!「万引き家族」6冠なるか

2019年01月07日 16時30分

 全国の10映画祭ディレクターが選考した結果をもとにビートたけし審査委員長(71)が独断で選ぶ「第28回東京スポーツ映画大賞」のノミネート作品と俳優などが6日、決定した。今のところ「万引き家族」に6冠の可能性があるが、この結果をもとに今月下旬、たけし委員長が最終ジャッジを行い「第19回ビートたけしのエンターテインメント賞」と併せて本紙紙面で発表する。授賞式は2月24日に都内ホテルで行う。

◇作品賞    

「万引き家族」
「寝ても覚めても」
「きみの鳥はうたえる」
「カメラを止めるな!」
「孤狼の血」
「モリのいる場所」

 第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した「万引き家族」については「東スポ映画大賞歴代ナンバーワン作品」(ながおか映画祭)、「是枝監督の『家族映画』の集大成版。一本の映画に日本の現状を重ねて見せた力量はさすが」(しまね映画祭)など高評価。ほかに話題を集めた「カメラを止めるな!」も「二重三重のパズルがつながってゆく爽快感。その全貌に驚き、笑い、そして涙するという奇跡の映画だ」(うえだ城下町映画祭)と話題性だけではなく評価も高い。

◇監督賞    

白石和彌「孤狼の血」
是枝裕和「万引き家族」
濱口竜介「寝ても覚めても」
上田慎一郎「カメラを止めるな!」
瀬々敬久「菊とギロチン」

 白石監督と是枝監督が得票数(非公表、以下同)で並ぶ。パルムドールという国際的な評価を受けた是枝監督に「今、ストーリーの力で世界をうならせることができるのは、是枝監督ただ一人だと思います」(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)という評価。一方で、白石監督にも「期待のアウトロー監督。小気味よいテンポは一級品」(シネマ游人)、「役所広司や松坂桃李のみならず、脇のキャストもおのおのの持ち味をいかんなく発揮して、エンタメとして昇華させた」(TAMA CINEMA FORUM)と票が集まった。

◇主演男優賞  

山崎努「モリのいる場所」
役所広司「孤狼の血」
リリー・フランキー「万引き家族」
東出昌大「寝ても覚めても」
濱津隆之「カメラを止めるな!」

 山崎が得票数単独トップで「ひょうひょうとした振る舞いで、演技を感じさせない存在感はさすが」(とよはしまちなかスロータウン映画祭)。しかし、役所に「呉弁から、いでたちまで役への入り込み方のすさまじさはさすがのひと言」(TAMA CINEMA FORUM)、東出には「日本人でありながらエイリアンのような魅力」(あきる野映画祭)、濱津にも「無名の俳優がこの映画を歴史に残した」(ながおか映画祭)好評があり、差はわずか。

◇主演女優賞  

安藤サクラ「万引き家族」
門脇麦「止められるか、俺たちを」
江上敬子「犬猿」
黒木華「日日是好日」
二階堂ふみ「リバーズ・エッジ」
松岡茉優「勝手にふるえてろ」
 安藤が「カンヌをうならせた涙としぐさに称賛」(ふかや映画祭)、「いわずもがなです」(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)、「エロスと母性の同居する不思議な魅力を放っていて目がくぎ付けになった」(シネマ游人)などと断然で得票トップ。お笑いコンビ・ニッチェの江上も「初主演ながら実力派女優誕生と絶賛」(しまね映画祭)と評価された。

◇助演男優賞  

松坂桃李「孤狼の血」
塚本晋也「斬、」
斎藤工「サラバ静寂」「blank13」
内田裕也「星くず兄弟の新たな伝説」
染谷将太「きみの鳥はうたえる」

 票が割れて、松坂、塚本、斎藤の3人が同票でトップ。松坂に「イメージを破壊し続ける謙虚で貪欲な姿勢に」(ふかや映画祭)、「懸命のイメージチェンジを応援」(しまね映画祭)、「優等生の二枚目俳優から汚れ役もできる大人の役者に脱皮した」(TAMA CINEMA FORUM)などの声。塚本に「温厚に見えながら狂気を秘める人物を緩急のある動きで見事に表現」(シネマ游人)、斎藤には「そうとうヤバいやつを演じる斎藤工は、見ていて痛快である」(三鷹連雀映画祭)など、混戦だ。

◇助演女優賞  

樹木希林「万引き家族」
松岡茉優「万引き家族」
真木よう子「孤狼の血」「焼肉ドラゴン」
伊藤沙莉「寝ても覚めても」
阿部純子「海を駆ける」
黒木華「来る」「日日是好日」
しゅはまはるみ「カメラを止めるな!」

 樹木さんには「まるで映画が人生であるかのように、その生をスクリーンに焼きつけた」(あきる野映画祭)、「背中だけでも存在感がある唯一無二の女優さんでした」(うえだ城下町映画祭)。松岡には「キャラクターに没入する演技力。等身大の20代女性」(あきる野映画祭)、「この家族の中で唯一、実の父母が分かる陰の主役とも言える難しい役を見事に演じきった」(ながおか映画祭)。この「万引き家族」の2人が同票でトップ。

◇新人賞    

木竜麻生「鈴木家の嘘」「菊とギロチン」
唐田えりか「寝ても覚めても」
SUMIRE「リバーズ・エッジ」
平手友梨奈「響―HIBIKI―」
佐々木みゆ「万引き家族」

 木竜に「生存罪悪感を嘔吐する長いモノローグに映画の心を見た」(しまね映画祭)、「全くタイプの違うキャラクターを使い分けた演技力。将来の大竹しのぶタイプ」(とよはしまちなかスロータウン映画祭)。唐田に「無色透明で人物が透けて見えるような存在感が出色で、強く印象に残った」(TAMA CINEMA FORUM)、「何者にも染まりうる透明度と危うさを感じた」(あきる野映画祭)。演技力と透明感。正反対の評価を得た2人が得票数トップで並んだ。

◇外国作品賞  

「ボヘミアン・ラプソディ」
「スリー・ビルボード」
「タクシー運転手 約束は海を越えて」
「リメンバー・ミー」
「彼の見つめる先に」

 社会的ブームを起こしている「ボヘミアン・ラプソディ」と、「すべてが不完全で、すべてが完璧」(ふかや映画祭)という評価の「スリー・ビルボード」が同票トップも、他ノミネートとの差はわずかだ。

【審査に参加した全国10の映画祭】あきる野映画祭、うえだ城下町映画祭、シネマ游人、しまね映画祭、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭、TAMA CINEMA FORUM、とよはしまちなかスロータウン映画祭、ながおか映画祭、ふかや映画祭、三鷹連雀映画祭