“伝説のロックバンド”クイーンを描いた大ヒット映画「ボヘミアン・ラプソディ」の次は、米歌姫ホイットニー・ヒューストンだ。

 2012年に48歳の若さでこの世を去ったホイットニーの人生の“光と影”を追ったドキュメンタリー映画「ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー」が4日、全国で封切られた。

 1985年にアルバム「そよ風の贈りもの」で衝撃デビューするや、圧倒的な歌唱力と存在感でいきなり世界中の音楽ファンを魅了。同アルバムからは「すべてをあなたに」を皮切りに7曲が全米チャート1位に輝くという前代未聞の快挙を成し遂げた。

 92年には米俳優ケビン・コスナーと共演した初主演映画「ボディガード」が大ヒットし、ホイットニーの新曲6曲を含むサウンドトラックアルバムは4200万枚を売り上げるという驚異的記録を打ち立てた。

 そんな栄光の頂点にいた92年、当時R&B界のトップ歌手だったボビー・ブラウンと結婚。だが、それを境に人生が暗転する。ボビーからの家庭内暴力により薬物やアルコールの依存症に苦しみ、ドン底人生へと一気に転げ落ち始めたのだ。

「ホイットニー オールウェイズ――」では、貴重なホームビデオや未発表の映像・音源などを駆使し、2004年に離婚したボビーをはじめ、家族や友人、関係者らのインタビューをもとに波瀾万丈の人生を生きたホイットニーの知られざる素顔に迫っている。

 監督は72年のミュンヘン五輪で起きたテロ事件に迫ったドキュメンタリー「ブラック・セプテンバー・五輪テロの真実」(99年)で米アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したケビン・マクドナルド氏。同作品は2月10日に授賞式が行われる米グラミー賞の最優秀音楽映画賞にノミネートされている。