「第31回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」が28日、都内のホテルで行われ、「万引き家族」の是枝裕和監督(56)が作品賞を受賞した。作品は第71回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールを受賞している。

 前年に「あゝ、荒野」で同賞を受賞している岸善幸監督に盾を、主演のリリー・フランキー(55)から花束を渡されると、是枝監督は「岸さんとは製作会社時代の同期で、つらいAD時代を赤坂の編集室で過ごした。深夜に先輩の悪口を言いながら『いつか映画が撮れるといいな』と話していた。31年たって、まさか2人でここに立っているとは思わなかった。それだけにとても特別な時間」と、感慨深そうに岸監督を見つめた。

 その岸監督は「本当に先輩たちの悪口を言っていた。2人でよく映画を見ては話をしていたが、まさか2人とも監督になれるとは。是枝さんについていって本当に良かった」と笑みを浮かべた。

 また、リリーは「僕も街を歩いているとおばさんに『万引きの人』、それはまだマシで、時には『泥棒の人』と言われる。でも、こんなにたくさんの人に見てもらえるとはうれしい」と笑わせた。