仮面女子・猪狩ともか 周囲のサポートに感謝「前を向いたら新しい道が切り開けた」

2018年12月17日 10時46分

前列左から森下舞桜、黒瀬サラ、猪狩ともか、雪乃しほり、水野ふえ。後列左から海月咲希、木下友里、涼邑芹、桑名利瑠、橋本友梨英、陽向こはる

 不慮の事故で脊髄損傷となり車椅子で活動する地下アイドル「仮面女子」の猪狩ともか(27=スチームガールズ)が15日、東京・秋葉原の仮面女子カフェで生誕祭を行った。

 担当カラーの黄色に染まった会場で笑顔で登場。ユニット曲、仮面女子曲のほか、水沢まい(27=アリス十番)との共演では10年ぶりというピアノを演奏した。この日のステージには完成した車椅子を披露した。「色をごちゃごちゃすると洋服と合わせづらくなるので、ベースは黒にしてスポークに担当カラーの黄色をしてもらいました」と説明。メンバーから、背中部分にかけるリュックサックを贈られると満面の笑み。ラストでは、特製台車を使って客席に繰り出し、車椅子に乗ったまま落ちサビを担当した。

 最後のあいさつで「春に事故に遭って車椅子生活になったんですけど、こうしてステージに戻って来れたのは、まぎれもなく周りで支えてくれた皆さんのおかげです。入院中、久しぶりにケータイを触ったら、私を心配してくれる声(書き込み)がたくさんあって、『戻らないわけにはいかない』と思った」とファンに感謝した。

 そんな猪狩だが、8月の復帰公演は「すごく緊張した。久しぶりのステージというのもあったけれど、車椅子に乗っている姿を見せるのが怖かった」という。応援の声で心配は吹き飛んだが、今でも不安があると打ち明ける。「やっぱり、昔に戻れないのがつらい。最初はとまどいというか、会社員が会社に慣れなくて行きたくない、みたいな感じで、ライブするのがちょっとイヤだなと思っちゃったこともあったんです。ただ、構成とかをみんなが考えてくれたり、出られる曲も増えたので、今では最初から楽しい気持ちです」

 最近は生誕祭や卒業イベントが多く出演回数が増えた。「回数をこなすことによって自信がつくというのもありますけど、皆さんが今まで通りに応援してくれるので、前と変わらないというか、日常が戻ってきたような感じがします」と話した。

「私はこうして脚の自由が奪われてしまったけど、新たにパラスポーツに挑戦することだったり、新しい出会いとかもたくさんあって、今までなかったお仕事をいただけたり、新しく切り開けたものとかもある」とこれまでを振り返る。「脚が動かなくなったことをただ嘆くんじゃなくて、残された上半身の自由を存分に生かして、今までより楽しく活動していきたいと思っています」と前を向いた。続けて「人間ってどうしても下を向いてしまったり、つらかったり壁に当たってしまうことがあると思うんですけど、そういう時は前を向いていれば、いいことがある。私もそうだった。周りのみんなが前を向かせてくれて、前を向いたことで新たな道がどんどん切り開けていって、こうして楽しく生誕祭をするとこができた。後ろを向いていたら何もいいことはないと思うので、みなさんも、つらいこととかあったら、前を向いて、推しに会って元気になってください」と呼びかけた。

 生誕祭を終えた猪狩は「事故に遭って、ずっと入院していて、こうしてステージに戻ってこれて、生誕祭が開催できたことが本当に幸せだなと思いました」と振り返り、ファンの応援、家族とメンバー・スタッフの支えに改めて感謝した。病状発表後やリハビリ中に、一部で心ない書き込みも見受けられた。「やっぱり注目される分、しょうがない。もっと有名な方は私の何倍もあると思う。そういうのを気にしてもキリがないので、そういう人もいるんだなと思って、誰かに話して笑い話にしたりして、気にしないようにしています」と話す。

 今後はライブだけでなく、講演・トークショー、パラスポーツ、作詞など多彩に活動する。「パラスポーツはどの種目にするか決めていないけど、夢中になれたらいいですね。作詞は自分の体験を基にした元気が出るものにしたい」と意気込んだ。