今月行われた漫才日本一決定戦「M―1グランプリ2018」で、3年連続準優勝に終わったお笑いコンビ「和牛」(水田信二=38、川西賢志郎=34)が11日、都内で行われた2018年「歳の印」捺印式(全国印章業経営者協会主催)に出席した。

 今年のM―1は新星コンビ「霜降り明星」が優勝を飾ったが、思わぬところでトラブルに見舞われた。番組終了後、挑戦ラストイヤーで7位に沈んだ「スーパーマラドーナ」の武智正剛(40)が、昨年王者の「とろサーモン」久保田かずのぶ(39)と酔った勢いでネット配信を行い、審査員を務めた“関西の女帝”上沼恵美子(63)を「自分の感情だけで審査せんといてください」「右のオバハンにはみんなうんざりですよ」「『嫌いです』って言われたら、更年期障害かって思いますよね」などと罵倒したのだ。

 武智は2年前のM―1で3位に入った直後にも、「NON STYLE」井上裕介(38)が当て逃げ事故を起こした際に同乗しており、売り時を逃した。今回も普段から番組で世話になっている上沼を恩知らずにののしっている。まして、上沼は「ダウンタウン」松本人志(55)に懇願されて審査員を引き受けたという経緯がある。上沼は2人の無礼を不問に付す“大人の対応”で事態の収束を宣言したが、いまだにネットは大炎上中だ。

 霜降り明星より、久保田と武智ばかりに話題が集中する結果に、M―1司会を務めた今田耕司(52)ら先輩芸人からも非難の声が相次いだ。そして間が悪いことに、水田も配信の場に同席しており「友人を選べ」などの口撃にさらされた。

 M―1で計7回ネタを披露し、会場の雰囲気や審査の様子を熟知している水田はこの日「審査は全く問題ない。霜降り明星の優勝でおめでとうということ。上沼さんの好きは面白いという意味で、好き、嫌いではない。面白い、面白くないということ。何の文句もない、以上!」とコメント。

 川西もこれまでの経験から「落ち着いてやるべきことをやるという目標だけは設定していた。そして、やりきるところまではできた」と、審査うんぬんではなく、自分たちのネタだけに集中していたことを明かした。さすが最もチケットが取りにくいと言われる人気実力派コンビだけに、炎上中の2人とは全く捉え方が違ったようだ。

 それにしても、1000万円争奪賞レースのプレッシャーは、出場者、審査員にとって相当のもの。水田は「せり上がりが慣れない。しばらくはエレベーターに乗れない」と苦笑した。

 イベントにはM―1で3位に入った「ジャルジャル」(後藤淳平=34、福徳秀介=35)、ものまねで人気の「チョコレートプラネット」(長田庄平=38、松尾駿=36)、「ガリットチュウ」(福島善成=41、熊谷岳大=40)も出席した。同式は、世相を表すハンコの絵柄を発表するもので、今年はスーパーボランティアの尾畠春夫さん(79)が選ばれた。