フィギュアスケート元世界女王の“シンママ”スケーター・安藤美姫(30)が7日、東京・江東区のららぽーと豊洲で行われた屋外アイスリンク「Sea Sideアイススケートリンク」オープニングイベント(来年2月17日まで、三井不動産商業マネジメント主催)に出席した。

 女子史上初の4回転ジャンパーで、世界選手権優勝など数々の実績を残した安藤は「ピアノや絵画、そろばん、習字など習いごとの一つがフィギュアスケートだった。当時はこんなふうに外にスケートリンクはなかった。テレビでも放送されておらず、メディアが興味を持って取材に来ることもない時代。ただ、先生みたいになりたいと思って始めた」とコメント。

 初心者のちびっ子向けに氷上でスケートを教室を開催し「ぜひ、このリンクで滑ってほしい。将来を担う子供たち、待ってるよ!」と未来のトップスケーターを待ち望む一方、子供たちから刺激を受けて「私はまだ子供のころの夢をかなえていないので、これからもフィギュアスケーターとして夢を追いかけたい」と力強く語った。

 折しも世界のトップ6選手がしのぎを削る「グランプリファイナル」(7~9日、カナダ・バンクーバー)が開幕。日本からは宇野昌磨(20)、紀平梨花(16)、宮原知子(20)、坂本花織(18)が出場している(羽生結弦=24、ケガのため欠場)。女子はトゥクタミシェワ(21)、ザギトワ(16)、サモドゥロワ(16)のロシア勢と3対3の真っ向勝負となる。

 安藤は「日本では大技が目玉だが、フィギュアは音楽やメーク、衣装でも楽しめる。今年、シニアデビューから2連勝した紀平さんは、トリプルアクセル以外にもデビュー戦とは思えない表現力があった。宮原さんはジャンプ、スピンなど、どれもキレがあって完成度が高い。トータルでは宮原さんだと思う。坂本さんは普段メチャメチャ明るいのに、いざリンクに立つと堂々としているギャップが魅力」と見どころを解説した。

 続けて「先生は違うが、同じ名古屋で小さいころから見ている宇野選手にも注目したい。音楽の表現などにも力を入れている。頑張ってほしい。紀平さんは夏のアイスショーで一緒になったが、トリプルアクセルの質に自信を持っていて、大人っぽい雰囲気も持ち合わせている。温かく見守りながら応援したい」と、出場選手にエールを送った。

 また「羽生選手がケガで欠場したのは残念で心配だが、ケガとうまく付き合えるポテンシャルを持っている選手。安静にしてもらって、次の試合に期待したい」と“スケート界の至宝”の復活を願った。