先月下旬に開催された「カイロ国際映画祭2018」のレッドカーペットに登場した地元エジプト人女優ラニア・ユーセフ(45)のドレスが「セクシー過ぎる」と苦情が殺到した。当局はラニアを「性的不道徳を助長した疑い」で告訴。もしも有罪になれば、禁錮5年の刑が科せられる。英BBCなどが3日伝えた。

 ラニアが着ていたのは黒のロングドレス。笑顔で多くのカメラの前でポーズしたが、下半身の布地がシースルーになっており黒のショーツが丸見えだった。

 欧米や日本などのイベントではよくある光景だが、そこはイスラム圏のエジプト。女性の肌の露出については極めて保守的だ。テレビなどでレッドカーペットを見た国民からは、SNSなどでラニア叩きが広まった。

 そんななか、同国でイスラム教の教えに反する行為をしたセレブを訴えることで知られる弁護士らが、さっそくラニアを告発。女性がそんな格好で公の場に出たことは「社会的価値観や伝統、道徳に反し、映画祭の評判を落とし、特にエジプト人女性の評価をおとしめた」と猛批判した。

 思いもかけない展開にラニアは「このドレスを着たのは今回が初めてで、こんなに怒りを買うとは、想像もしていなかった」と陳謝した。

 エジプトでは昨年12月にもミュージックビデオでバナナに牛乳をかけるシーンが卑わいな行為だとして、同国の歌手シャイマ(26)が告訴され、禁錮2年の判決を受けたばかり。もしラニアも有罪判決が下れば、お気の毒と言うしかない。