日本テレビの来年1月期の水曜ドラマ「家売るオンナの逆襲」で北川景子(32)の“ライバル役”に伝説の名優、松田優作さんの次男、松田翔太(33)が決まった。現在放送中の水曜ドラマ「獣になれない私たち」(略称・けもなれ)では翔太の兄・龍平(35)が主演しているが、これで2期連続で“松田兄弟”が主要キャストを演じることになる。ライバルのテレビ朝日に比べるとドラマが明らかに弱点の日テレ。局の命運を“優作DNA”に託した形だが、このバクチが吉と出るか?

「日テレは水曜ドラマの未来を松田兄弟に託したと言っても過言ではありません」(編成関係者)

 兄の龍平は現在放送中の「けもなれ」で新垣結衣(30)とともに主演しているが、状況は芳しくない。

「第6話が10・0%と初回の11・5%以来、久々の視聴率2桁台を記録し局内は沸いたんです。ところが、それ以外の回は1桁で散々。これまでの平均視聴率も9・0%。ガッキーなど人気俳優を起用したドラマとしては、予想を覆す惨敗ぶりです」(前出の関係者)

 年間視聴率3冠(全日、プライム、ゴールデン)を目指す日テレの強力なライバルといわれているテレ朝は10月期にドラマ「リーガルV」で高視聴率を獲得している。それだけに、1月期で巻き返しを図りたいはず。そんな中で白羽の矢が立ったのが翔太なのだという。

「翔太を巡ってはNHK大河ドラマ『西郷どん』で話題となった徳川慶喜役を演じた後の民放連ドラ出演作ですから。話題性は抜群」とは別のテレビ関係者だ。ただ、そんな表向きの話だけではないという。

 ある芸能関係者は「そもそもは『けもなれ』で新垣の相手役を選ぶ際に身長が180センチ以上で、知名度と演技力のある役者を選別したところ龍平しかいなかったという話。それで龍平をキャスティングする際に事務所から弟も売り込まれたという話もある」。

 そんな状況下で「けもなれ」も惨敗しているのだ。名優のDNAとはいえ、それに加え「家売る――」までも厳しい状況に立たされたら、日テレとしては目も当てられない。だが、局内では「満を持しての登場」と期待しているのが、この「家売る――」だという。

 もともと、2016年夏に北川主演で「家売るオンナ」は連ドラとして放送された。昨年5月にスペシャル版としてオンエアされた「帰ってきた家売るオンナ」が放送され、今回は第2シリーズだ。16年の連ドラは平均視聴率が11・6%で、昨年のスペシャルは13・0%。ドラマ部門ではなかなかヒット作のない日テレとしては自信の一作というわけだ。

 このドラマで北川が演じるのは、どんな客でも必ず家を買うという天才不動産業者・三軒家万智。ちなみに翔太はこのシリーズ初登場となるが「同じ不動産業者として北川のライバルという役どころ。実はこの2人はもともと恋人同士だった。だが、ようやく結婚という段階で翔太が他の女と逃げてしまった。まさに恨み骨髄の男なわけです。北川は子供も授かり、幸せな新婚生活を送っているところに翔太が現れ、心は乱されるというストーリーなんです」(前出の編成関係者)。

 人気シリーズに加えて、話題性抜群のキャストとなれば、日テレが自信たっぷりなのもムリはない。それでも、翔太を巡っては気になる話も。

「とにかくわがままだというんです。気分屋で演出家の言うことをきかない。まあ、翔太にしてみれば自分が納得できる演技ができないとダメだという意思表示なのでしょうか。すでに日テレは振り回されているそうです」(前出の芸能関係者)

 裏を返せば、それだけ芝居と真摯に向き合っているともいえる。父・優作さんの遺伝子のおかげでこのドラマが大ブレークし高視聴率が取れれば、現場がわがままに振り回されようが、何の問題にもならない。翔太が兄貴のカタキをとって、日テレの救世主になるかもしれない。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)