女優の赤木春恵さんが29日午前5時7分、心不全のため都内の病院で死去した。94歳だった。NHKの報道によると、3年前に自宅で転倒して大腿骨を骨折、さらにパーキンソン病を患うなど療養を続けてきたという。

 所属事務所のホームページによると、赤木さんは元号が大正だった1924年の3月、旧満州で生まれた。戦前の40年にニューフェイスとして松竹に入社し、大映を経て48年に東映に入社。58年に森繁劇団参加と同時にフリーに転じた。

 キネマ旬報の「日本映画ベスト・ワン」に選ばれた2013年公開の「ペコロスの母に会いに行く」で認知症の母親を演じ、「世界最高齢での映画初主演女優」(撮影時88歳)としてギネス世界記録に認定された。テレビドラマでも「3年B組金八先生」の校長役や、「渡る世間は鬼ばかり」のしゅうとめ役で人気を博し、国民的ドラマと言われた83~84年のNHK連続テレビ小説「おしん」にも出演した。