僧侶で作家の瀬戸内寂聴氏(96)と66歳年下の秘書・瀬尾まなほ氏(30)が26日、京都市の「曼陀羅山 寂庵」で、共著「命の限り、笑って生きたい」(光文社=1300円+税)の取材会を行った。

 96歳にしていまだ現役作家として活動を続ける瀬戸内氏を、7年前から秘書として支える瀬尾氏。昨年にはエッセー集「おちゃめに100歳! 寂聴さん」を出版し、瀬戸内氏の美人秘書としてテレビ番組に出演するなど話題を集めた。「命の――」は、そんな2人が日々の暮らしの中で「しゃべっていることをそのまま書いた」という対談集だ。

 瀬戸内氏は、2人の関係について「遠慮のない人で言いたい放題。負けずに私も言いたい放題。雇う雇われてるっていうのを通り越した関係です」と話し「若い人と付き合ってると、若さの秘訣になると思います」と明かした。

 また「生きることで一番大切なのは人を愛すること」と話し、瀬尾氏の結婚が気がかりな様子。「まなほは恋人がいないらしい。占い師に30か31で結婚するって言われたらしいですけど。優しくてユーモアもあり、一緒にいて楽しい。こういう人をお嫁さんにすれば、男の人は気安いと思うけど、なぜか縁がない」と首をかしげると、瀬尾氏は「この本には2人の会話が出てるので、瀬戸内寂聴にこんな口の聞き方をしてるとバレる。きっとお叱りを受けたり、この女は気が強いとなって、ステキな人は現れないんじゃないか」と苦笑いした。

 さらに、瀬戸内氏は、瀬尾氏と同世代の恋におくてな女性に対し「30歳って、女として熟す時で男友達がいないなんて、もったいない。結婚しないでいいから相手はいたほうがいい」とアドバイス。続けて「でも、大体好きになる相手が家庭持ってて不倫となる。不倫がいけないって誰が言いだしたの? 恋愛って順序だててくるものじゃなくて落ちてくるもの。いけない、いけないって言ってたら、一生男も女も一人でいるしかなくなりますよ。あ、これは尼さんの瀬戸内寂聴じゃなくて、小説家・瀬戸内寂聴が言ってます」と持論を展開した。

 取材会では、2人がプロデュースした「しあわせクッキー」を来年2月1日に発売することも併せて発表した。