タンゴ歌手で女優の冴木杏奈が主演を務める舞台公演「南十字星へのプレリュード」が1日、東京・日本橋の三越劇場で初日を迎えた。同公演は4日まで行われる。

 この舞台は、日本とアルゼンチンの外交樹立120周年を記念して行われるもので、この日はアルゼンチンのアラン・ベロー特命全権大使、マティアス・バビーノ公使も駆け付けた。

 タンゴ歌手として世界的に活躍している冴木は大きな節目の今年、タンゴの殿堂「アルゼンチン国立タンゴアカデミー」で、著名なタンゴの芸術家たちがサインを残す「黄金の書」に、アルゼンチン人以外では初めてメッセージとサインを記すという歴史的快挙を成し遂げた。

 公演前に取材に応じた冴木は「120周年ということで先日、アルゼンチンに行き、歌わせていただいた。その風をまとっているんですが、アルゼンチンの風をそのまま日本のみなさまにお届けできたらな、と思っています」。さらに「これからも130周年、140周年に向け、アルゼンチンと日本の懸け橋として頑張っていけたらいいなと思います」と語った。

 べロー大使は「アルゼンチン大使館は冴木さんの活動を応援してきましたが、120周年を記念した舞台がこのたび上演されることに感謝します」とコメント。また日本では、2年後には東京五輪が開催されるが「アルゼンチンのサッカーに期待してほしい」と言う。

 アルゼンチンは2004年のアテネ、08年の北京と、サッカー男子で金メダルを獲得。「五輪ではメッシ、テベス、アグエロらが活躍し、その後世界に羽ばたいた。東京五輪のメンバーも可能性を秘めた選手の集まりなので、期待してほしい」

 ちなみにベロー大使のイチオシは、ユベントス(イタリア)で活躍するパウロ・ディバラ。すでに24歳で五輪に出るにはオーバーエージ枠しかないが、東京五輪でその姿が見られるか?