韓国敗退にテレビ局は安堵

2013年03月08日 11時00分

【WBC】8日の2次ラウンド突入で佳境を迎えるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドB組で有力チーム韓国が敗退した。激闘を繰り広げた過去2回の大会に加えて歴史的背景もあり、屈指の好カードと期待が高かった日韓戦。高視聴率も望めるだけに、さぞや日本のテレビ局はこの結果にほぞをかんでいると思いきや、意外にも安堵しているという。

 昨今、視聴率の低迷著しいテレビ局にとって、WBCは“ドル箱コンテンツ”に違いない。事実、1次ラウンドA組の日本―ブラジルは平均視聴率25・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)、瞬間最高視聴率は35・5%を記録。サッカー日本代表の試合やフィギュアスケートの国際大会に比べても遜色ないことを証明した。

 過去のWBCの視聴率を振り返っても、30~40%は軽く叩き出しており、各局しのぎを削るゴールデンタイム(午後7時~同10時)や、プライムタイム(午後7時~同11時)で裏番組に確実な勝利を収めることができるのだ。中でも対戦相手が韓国だと、数字を稼げるのは確実。これまでのWBCの視聴率上位2~5位はすべて日韓戦で、テレビ局にとっては是が非でも戦わせたい相手と言えるだろう。

 ところが、韓国があっさり1次敗退…。テレビ局関係者はさぞやガックリしているのではないかと予想されたが、意外にもそうではないという。

 某局関係者の話。

「今の日韓戦は正直、微妙なんです。確かに数字が取れてうれしいのは確かだけど、ロンドン五輪みたいな騒動が起きたらシャレになんない。例えば、観客が政治的メッセージを書いたプラカードを掲げて、それをうっかりカメラが拾えば、ネットで炎上でしょ。結構リスクも大きいんですよ」

 確かに、昨年のロンドン五輪男子サッカー3位決定対決となれば韓国の代表選手が「独島(日本名・竹島)は我が領土」と書かれた紙を掲げたことが「五輪憲章違反」と大騒動になった。いまだに火種はくすぶっており、今大会、日韓対決となれば再現されかねない可能性があった。

 それを放送するテレビ局にも思わぬ火の粉が飛んで来かねなかったわけだ。また日本のインターネットは、テレビ局の韓国寄りに敏感。政治的プラカードだけではなく、解説者が深い意図なく韓国を応援するコメントを発すれば、局に苦情の電話が殺到することも考えられる。それだけに同関係者は「日韓戦が決まれば仕方がないけど、あっさり負けてくれてよかった」と別の意味で胸をなで下ろしているのだ。