落語家・桂文枝(75)が25日、大阪市内で自伝「風に戦いで(そよいで)」の発売会見を行った。

 自身初となる自伝には幼少期から最近までの半生がつづられており、3か月ほどで書き上げた。「師匠の年を超えてしまったので」と、2005年に死去した師匠・五代目桂文枝(享年74)の年齢を上回ったのがきっかけとなったという。

 98歳になる母親への感謝の気持ちや、創作落語についての思いが中心になっており、この日の会見も母親との思い出の地という大阪天満宮で行った。52年の落語家人生で交友関係が広い文枝だが「(横山)やすしさんや(月亭)可朝師匠が出てきたりというのはありますが、交友関係というよりも自分と母とのことなどを書いてます」と同業者があまり登場しないと説明した。

 タイトルについては「僕は今まで、向かい風、追い風いろんな風に乗ってきて、風にあらがってきたような気がします。『風に戦いで』というのが、自分の人生を振り返ったときにピタッと合うような気がした」と語った。

 向かい風といえば、2度の愛人疑惑騒動などが報じられたのは記憶に新しい。自伝でそのことに触れているのかについては「ないです」と苦笑いだった。