米映画・ファッション業界では昨秋以来、セクハラ被害者がSNSなどで「私も!」と次々告発する「#MeToo」運動がお盛んだ。名指しされた大物俳優やプロデューサー、カメラマンらが続々と窮地に立たされている。それに便乗するような形で、散々お世話になった大手クライアントを猛激怒させてしまったのが、先ごろ所属事務所から独立した“炎上モデル”水原希子(28)。その舞台裏を追跡した――。

 今年4月、「アラーキー」こと大物写真家・荒木経惟氏(78)の元お抱えモデルがアラーキーを#MeToo告発したのに呼応するように水原は、自身の屈辱体験をインスタグラムで告白した。20代前半のとき、ある企業の広告撮影で上半身裸になり“手ブラ”撮影をした際、セクハラがあったという。24時間で投稿が消えるインスタのストーリー機能で、水原はこう書いた。

「その時だけ何故か沢山の男の人、多分上層部であろう20人ぐらいの社員の人達がスタジオに来たんです。裸だから撮影中は見られたくないと伝えたけれども、写真を確認しなくてはならないからという理由で、結局、仕事だから拒否できないんだよと、沢山の男性に裸を見られる環境の中で撮影を強いられた事があった」

 これに対してネット上では賛否両論巻き起こり、その広告はすぐ特定された。水原が22歳の時に撮影した、大手コスメブランドの正月用ポスターだった。しかも撮影したのはアラーキー。同ブランドは何の反論もせず黙殺したが、実ははらわたが煮えくり返るほど水原に怒っているという。

 ある広告関係者が声を潜める。

「現場にいた人に聞いたら、撮影に必要のない人は一人もいなかったそうですよ。男とか女とか関係なく現場に入っていて、わざわざ現場入りした人がいるわけでもなく…。ブランド側は『何様のつもりだ!』と相当怒ってます。水原はこのブランドからはもう完全アウト。この先、広告モデルで使われることはないでしょうね」

 それもそのはずだ。

「そこのブランドは、水原がまだそんなに売れてないときから、モデルとして起用してましたからね。先行投資してたわけですよ。なのに同ブランドとの契約が終わり、水原が美容家電のモデルに起用され、さらに今年3月、世界的ブランド『ディオール』のビューティー・アジア・アンバサダーに起用された矢先の#MeToo告発でしょ。飼い犬に手をかまれるとはまさにこのこと」(同)

 水原のSNSが炎上するのは今に始まった話ではない。昨夏にはTシャツ1枚着て便座に座り用を足しているスタイルの自撮りとともに、出演映画の告知をインスタにアップ。一昨年夏には、ノーブラにしか見えない“乳首ポッチン動画”をインスタに載せ、昨年9月に出演したバラエティー番組では「むしろちょっと乳首が見えてるっていうのもオシャレ」などと開き直った。

 露出過多なエロいビジュアルを自ら発信している水原が、自身の#MeToo告発で「モデルは物じゃない。女性は性の道具ではない」と訴えたところで、あまり説得力がない。

 とはいえ、水原はインスタのフォロワー数が510万で、渡辺直美(830万)、ローラ(510万)とともに国内トップ級だ。ディオールに続き、6月からは人気バッグブランド「コーチ」のブランドアンバサダーにも就任。自身の誕生日のさる10月15日には、業務提携していたモデル事務所から完全独立し、個人事務所で芸能活動していくと発表した。

「日本の化粧品ブランドを裏切ってディオールに行った」(広告関係者)という声もあるが、水原本人の言葉を借りれば「近年の私の芸能活動が国内だけでなく海外の展開が増えた」。

 もともと米国と韓国のハーフ。日本で敵をつくったところで屁でもないのだろう。