ごみ清掃員と二足のわらじを履いている異色の芸人「マシンガンズ」の滝沢秀一(42)の著書「このゴミは収集できません」(白夜書房)が、発売してすぐに重版となるほど売れている。

 週5~6日、清掃車に乗る滝沢がごみ清掃員になったのは6年ほど前。「M―1グランプリ」「THE MANZAI」で活躍したマシンガンズだが、滝沢は第1子誕生を前に、妻から出産費用として40万円を“請求”された。「お笑いの方もギリギリで食えない状態で、バイトを探さなきゃいけないな、となっていた」と振り返る。

 カラオケ店など9社の面接を受けたが、すべて落ちた。そこで元芸人のツテをたどって、比較的自由のきくごみ清掃員としてバイトを始め、約3年前に正社員になった。

 著書は「ペットボトル回収日になぜか束になったブラジャーが捨ててありました。どこをどう間違えて出したのか。誰かがどっかで俺の反応を見ているんじゃないかと思った」など、清掃員の日常をつづったもの。

 出版に至った最大の恩人は事務所の先輩・有吉弘行だった。滝沢がツイッターで「ごみ清掃員あるある」の形でつぶやいていたところ、興味を持った有吉がリツイート。

「そのうち有吉さんはダイレクトメッセージでアドバイスをくれました。『お前の気持ちよりも、ごみに関する知識の方が楽しく読めるなあ』とか。こっちの方に行けば、仕事があるぞと教えてくれた感覚。裏では“有吉様”と呼んでいます」

 ごみの知識は増え、環境問題にも興味を持つようになった。

「ごみの分別も、思った以上にみんな分からないと言うので教えるのが楽しい。もっと皆さんに知ってもらいたいなと思うし、本だけじゃなく、絵本とかも出してみたい。お話があればドラマ化、講演会もやりたい。海に行って子供たちと一緒にゴミを拾って『これは燃えるゴミだよ』とか教える営業をやりたい」と野望を明かした。