6月に胆のうがんで死去した俳優・加藤剛さん(享年80)のお別れ会が30日、東京・青山葬儀所で行われ、里見浩太朗(81)、栗原小巻(73)、草刈正雄(66)、東山紀之(52)らが参列。出席者を代表して里見と栗原が、お別れの言葉を述べた。

「剛さん、私よりずっと頑丈な方だと思っていたのに、先に天国に旅立ってしまうなんて…」と寂しそうに話した里見は、1970年にTBS系でスタートした時代劇「大岡越前」で加藤さんと共演。72年に「水戸黄門」の“助さん”に抜てきされたため2年間の共演だったが、同じ静岡出身というつながりで、かつては一緒にゴルフに行くなど親交が深かったという。

 最後に会ったのは2013年に東山が演じる「大岡越前」に加藤さんが出演したとき。新旧の大岡越前が共演するとあって話題になったが、里見は「たまたま私も撮影所にいたのでお白洲のシーンを見に行って、久しぶりに会ったのが最後でした」と、当時を懐かしそうに振り返った。

 また、栗原は加藤の死を「きらめく陽が沈んだ」とプーシキンの詩の一節を引用して表現。その上で「剛さんは誰かの何かのフリをするのではなく、心で演じていました。才能と努力の卓越した俳優でした」とたたえ、加藤さんとの別れを惜しんだ。