昨年7月に死去した作曲家・平尾昌晃さん(享年79)の遺産をめぐるトラブルについて、三男で歌手の平尾勇気(37)が25日、都内で会見を開いた。

 勇気は平尾さんの3度目の結婚相手で平尾昌晃音楽事務所、音楽出版管理会社の代表取締役社長を務めるMさんを相手取り、社長としての職務停止を求める仮処分申請を申し立てている。

 平尾さんの遺産は楽曲著作権や不動産、株式など60億円以上とも言われる。これをMさんがほぼ“独占”していることに、勇気が異を唱え、今回の訴えに至った。

 勇気は「株主総会を行わずに、2つの会社の代表取締役になった」「父の著作権料の不当な独占など、数々の違法行為に利用されている疑いがある」とMさんを指弾。続けて「遺産をこっちに寄こせと言っているわけではない。法にのっとって適切に処理してくれればいい。しかし、現状はそれすらもできていない」と主張した。

 同席した公認会計士の鈴木繁伸氏は「これは後妻業ビジネスの極悪非道版と言っていい」と断言。「Mさんは亡くなった平尾さんから3人の息子を遠ざけ、あらゆる書類を改ざん、捏造して、遺産を独占している。これからどんどん明らかになっていくだろうが、悪質極まりないことだけは確かだ」と語気を強めた。

 Mさんはこうした訴えを完全否定。この日、勇気は平尾さんが遺言書を作成すべく弁護士に相談メールを送っていたことを公表し「どこかに遺言書があるのではと思っています」と述べたが、Mさん側は「ありません」と強調している。

 骨肉バトルは泥沼化の一途。勇気はMさんについて「気持ち悪い」「次に会ったら? 無視ですね」とこぼすなど、かなり感情的になっている。

 26日にも臨時の株主総会が開かれる予定だが、双方が折り合う可能性は低い。