東京マラソン地味にしたフジテレビの消極策

2013年02月28日 16時00分

 東京“地味”マラソンはフジのせい!? 今年で7回目となる東京マラソンが24日に開催され、3万6000人のランナーが東京の街を疾走した。すっかり冬の風物詩と化しているが、五輪招致をアピールする大事な大会だったのにもかかわらず、特別目を引く有名人ランナーもなく、市民マラソンに関してはテレビ的にイマイチ盛り上がりに欠けたといわざるをえない。そんな寒~い内容になったのは、中継を担当しながら、自局の女子アナすら出場させられなかったフジテレビに対して身内からも厳しい批判の声が上がった。

 

 

 今大会は、9月に開催都市が決まる2020年五輪の招致機運を高める大切な場でもあった。大会はこれまで日本テレビとフジテレビが1年ごと、交互に中継しており、今回中継を担当したフジテレビが属するフジサンケイグループは「グループを挙げて誘致を応援する!!」と勇ましく宣言していた。なのに、だ。


 今回から世界の大レースによる「ワールド・マラソン・メジャーズ」に仲間入りしたことで、外国招待選手のレベルは高まったものの、市民マラソンを盛り上げる有名人ランナーの顔ぶれを見るとインパクト不足は否めない。「これで応援になるのか?」といった印象がありありだった。


 昨年は中継局の日テレから水卜麻美アナ(25)が出場したほか、同局の番組出演者の「オードリー」春日俊彰(34)を目玉に、「AKB48」秋元才加(24)、東国原英夫氏(55)ら注目ランナーが多く参加した。フジも11年には秋元の“キャプテン辞任みそぎラン”、石原良純氏(51)と当時都知事だった石原慎太郎氏(80)の親子ストーリーを前面に打ち出し、「TOKIO」国分太一(38)、プロボクサー亀田興毅(26)らも東京を駆け抜けた。


 これに対し、今回はTBSの秋沢淳子アナ(45)やフリーアナの山田玲奈(34)、フジサンケイグループのニッポン放送の五戸美樹アナ(26)らは出場したものの、当のフジテレビからは、一昨年に続き女子アナの出場はゼロ。ほかの有名人も猫ひろし(35)やお笑いコンビ「Hi―Hi」の2人やサッカー元日本代表の前園真聖氏(39)らを除くと、一般的に知名度が高いとは言いにくい“地味メン”ばかりだった。


 三田友梨佳アナ(25)や宮沢智アナ(22)ら同局の若手アナは総出で、各地からのリポートを担当。本来の仕事をしたと言えばそれまでだが、これまでさんざん局アナをタレント扱いしてきたフジにしては「出し惜しみか」と言われても仕方ないところだろう。


 これには同局関係者も「09年に松村邦洋が倒れた“松村ショック”の影響で、安易に走らせることができなくなった部分はある。けれど、要は走れる人材がおらず、ゼロからトレーニングさせる手間も惜しんだということ。ただ、それならそれで、華のある有名人を時間をかけてしっかりトレーニングさせて走らせるとか盛り上げる方法はあったはず」と嘆く。


 もっとも、過去に多くの有名人が出場した際に「大会をただのイベントとして利用してるだけ」という批判が集まったのも事実だ。それでも、前出の関係者は「派手にやるべきだった」と指摘する。


「たしかに今回から大会の国際的な格付けが上がって、より“硬派”にやらなきゃいけないムードは強まった。それでも誘致前の最後の大会。五輪にタレントが出るわけではないんだから、なんでもいいから盛り上げなければいけなかった。批判を恐れるあまり、完全に目先の番組を成立させることしか考えていないし、そもそも手間をかけてじっくり準備をするという考えがなかった」


 いまひとつ盛り上がりに欠けた今回の東京マラソン放送が、五輪誘致に大きく役立ったとは、誰の目にも映らなかっただろう。