マイケル・ムーア監督「トランプを大統領にしてしまったのはあの歌手」

2018年09月15日 16時30分

 2016年の米大統領選挙戦とドナルド・トランプ氏を追った注目のドキュメンタリー映画「華氏119」が21日、全米で封切られる。それに先立ち、メガホンを取った鬼才マイケル・ムーア監督(64)がこのほど米芸能サイト「ハリウッド・リポーター」とのインタビューで、米人気歌手グウェン・ステファニー(48)が意図せず「トランプ氏を大統領にしてしまう重要な役割を担った」と独自の理論を展開した。

 ムーア監督は、トランプ氏が1988年ごろから大統領選出馬の可能性について言及していたが、本当に大統領になりたいとは思っていなかったと指摘。その理由は「ホワイトハウスにペントハウスはないし、黒人ばかりのワシントンに住むのも嫌だったから」と解説した。

 ところが、出馬の引き金になったのは14年、米NBCの音楽オーディション番組「ザ・ヴォイス」で、新たな審査員に迎えられたグウェンに示された出演料だったとムーア監督は主張する。

 当時、NBCでは“不動産王”トランプ氏の会社で右腕として働く人材を決定するリアリティー番組「アプレンティス」を放送中で、長年司会も務めた同氏よりグウェンのギャラのほうが高かったことに激怒したのだ。

 トランプ氏は同局を敵に回し、「オレはあの女よりずっと価値がある」とばかり、同番組を別のネットワーク局に売り込むことを画策。それに失敗したトランプ氏は、“究極の権威”である米大統領の選挙戦に出馬することでNBCを見返したかったというのだ。

 ところが「本音は大統領になりたいと思っていなかった」と主張するのはムーア監督だけではない。暴露本「炎と怒り/トランプ政権の内幕」の著書で知られるマイケル・ウルフ氏は、トランプ氏の最大の目的は大統領選で勝つことではなく、世間の注目を集めることで自身が計画していたテレビ局開設への弾みにすることだったと分析する。

 偶然が重なり誕生したトランプ政権について、ムーア監督は「トランプ氏はフランケンシュタイン。それを作ってしまった私たちはフランケンシュタイン博士だ」と表現した。

 同映画の題名「華氏119」は、04年の米大統領選でブッシュ氏再選阻止を目的に製作されたムーア監督の作品「華氏911」をもじったもの。「119」はトランプ氏当選が確定された11月9日に由来する。日本では11月2日にTOHOシネマズなどで公開される。