安田顕“金で妻を買う”男の魂の叫びにファンは泣くか喜ぶか

2018年09月13日 19時00分

吉田恵輔監督

 安田ファンは泣くか喜ぶか。映画「愛しのアイリーン」(14日全国公開)で主演した安田顕(44)の演技が注目を集めている。

「地方の村の少子高齢化と嫁不足」「外国人妻」などの社会問題を真っ向から扱った新井英樹氏の同名漫画を、原作の大ファンだった「ヒメアノ〜ル」の吉田恵輔監督が完全実写化。「13年間いろんなところに持ち込んでようやく今、撮影できた」(吉田監督)というほど強烈な内容だが、主人公・岩男を演じる安田が文字通りすごいのだ。

 岩男は寒村に住む42歳の童貞男。毎晩の自慰行為を母親のツルにのぞかれていた。岩男を溺愛するツルが嫁探しに奔走するなか、同僚への淡い恋心を踏みにじられた岩男は半ばヤケになりフィリピンの嫁探しツアーに参加。金で妻を買ってしまう。

 吉田監督:ヤバいやつであるという感じが岩男には大事で、安田さんのゆがみ方、うっくつとした感じが近い気がした。安田さんはゆがんでいるというより変わり者ですね。役者としてはすごくいいと思うのですが、ずうっと役に入っているんです。例えば人殺しの役ならカットがかかれば役から抜けてくれないと困る。スタッフがコミュニケーション取れないですから(笑い)。でも安田さんは弁当食ってるときも岩男。声がかけにくい(笑い)。こんな人は初めてです。ある意味ハリウッド的なのかな。

 岩男は性欲を持て余しし、女性器の俗称を何度も叫ぶ。撮影段階から数えれば、安田はおそらく100回以上口にしているという。

 吉田監督:あれは濁点が入っているので、放送禁止用語じゃなくて造語です(笑い)。オマンゴっていうのはおまんじゅうみたいなものです(笑い)。たまにゴがコになってる時があった気がするんですが(笑い)。

 それは岩男の魂の叫びであり、ひわいさよりもやるせなさや切なさが漂う。男女の愛、親子の愛。銃と血によるバイオレンスがラストまで怒とうのように押し寄せる。

 吉田監督:安田さんは試写を見たときに鈍器で殴られたような気がしたと言っていました。簡単な言葉で表すのは難しい、あまり見たことがないタイプの映画だと思います。(原作の)漫画を読んだときに号泣したんだけど、どこからくる涙かわからなかった。見る人にはその追体験をしてほしい、一度体感してほしいと思っています。