閉園「野辺山SLランド」貴重な車両は引き取り先を募集中

2018年09月11日 16時30分

鉄道マニアにも愛された野辺山SLランド

 日本最高地点を走るSLが活躍していることで知られる「野辺山SLランド」(長野・南牧村)が先月で閉園した。同園のSLは、JR鉄道最高地点となる小海線の1375メートルよりも11メートル高い1386メートルを走っていたこともあり、SLがけん引する客車からは、風光明媚な景色を楽しむことができた。

 野辺山SLランドで活躍していたSLは、ベルギーのアングロ・フランコ・ベルジ社のもので、1948年に製造された。86年に日本に渡って来る前は、台湾の製糖会社でサトウキビの運搬に携わっていた。しかし、国際的なサトウキビ価格の暴落によりサトウキビ工場が閉鎖されると、引退することになり放置されていた。

「362」という砲金製のナンバープレートをつけたSLが走る線路の幅は、ナローゲージと呼ばれる762ミリで、JRの山手線(軌間1067ミリ)よりも狭い。同園では、1周約350メートルの軌道を2両の客車をひいて時速5キロくらいで走っていた。このSLは子供たちに人気があっただけではなく、鉄道マニアからも愛されていた。

「最終日は、300人余りの人たちに乗車していただきました。私は、2代目の園長になりますが、約27年間運転してきただけに寂しいのひと言です。SLの維持費がだいぶかかりました」(野辺山SLランドの小原由広園長)

 野辺山SLランドの営業は、32年間という長きものだった。午後4時40分発のラストランは、家族連れや別れを惜しむ人たちで満員となった。

 同園では、SLだけではなく、64年に酒井工作所(現在の酒井重工業)で製造されたディーゼル機関車も活躍していた。とても貴重な車両として、鉄道ファンにも知られていたものだ。現在、展示されていた車両などを含めて譲渡先を探している。問い合わせは「せんろ商会」まで。