お笑いコンビ「爆笑問題」(太田光=53、田中裕二=53)が結成30周年記念単独ライブ「O2―T1」を、東京・港区のEXシアター六本木で8月30日~1日まで3日間連続で開催した。

「O2―T1」の意味は「太田が2つ、田中が1つ」。2000年9月に睾丸肥大により“片タマ”の緊急摘出手術を受けた田中に着想を得たものだ。ビートたけしをはじめ芸能界や出版界などから、あふれんばかりの祝い花が届き、会場を彩った。

 爆笑問題がコントだけの単独ライブを披露するのは、何と28年ぶり。今回はネタを5本用意し、1本目のネタは風俗店「手コキクリニック」が舞台と、はちゃめちゃだが、5本全てがまるでSF小説のようにリンクしており、観客も舞台上の2人コントに引き込まれた。

 SNSと有名人の戦いをテーマに、戦場の2人のやりとりをネタにしたコントでは、太田が銃を取り「新潮!」。日大裏口入学報道を笑いに変えた。最後のネタは2人がネズミに扮した大人気キャラクター「爆チュー問題」を披露。有名曲「でたらめな歌」もパフォーマンスした。

 最後は太田が「でたらめは魔法の言葉だ!」と言い放ち、パントマイムで、これまで丁寧につないできたコントの“伏線”の糸を巻き取り、全て回収した後に、それを投げ捨てるような動きで、世の中全てを笑い飛ばしてみせた。

 3日間4公演で、いずれも大入り満員。複数回観劇すると、爆笑問題のコントライブを楽しむだけでなく、太田の落語を聞いたり、小説を読んだり、爆笑問題の漫才を聞いているような不思議な感覚に陥る奥の深いエンターテインメントだった。

 ライブ終了後のアフタートークでは、太田が登場するなり「どうも、アニマル裏口です」とギャグを発射。田中は「新潮社から祝いの花が届いてたよ」と振り「裏口から搬入したんだって」と鋭いツッコミを入れると「まあ、裏口の件もネタにさせていただいたから。そういう意味ではオレの片タマも散々笑いになったからありがたかった。当時は深刻だったけど」と苦笑い。太田も「コイツが一番ヒドイ!」と笑うしかない。

 最後は2人で「30年間支えていただき、ありがとうございました!」とファンに感謝の気持ちを表した。