V系バンドの風弥がペットのために作曲したワケ

2018年08月28日 11時00分

風弥は積極的に被災地支援に取り組んでいる

 東日本大震災で被災したのは人間だけではなく動物たちも同じ――。そんな被災動物たちのためのチャリティーソング「ちぃたん☆の気持ち」が今月15日から配信され、話題になっている。被災動物にスポットを当てるのは珍しいが、その意図は? 今回の楽曲を手がけたビジュアル系バンド「DaizyStripper(デイジーストリッパー)」の風弥~Kazami~(年齢非公表)に話を聞いた。

 ――被災動物たちのチャリティーソングは珍しい

 風弥:東日本大震災が起こって、これまでは被災者支援が重視されてきました。もちろん、今もまだまだですが、被災動物にはなかなかスポットが当たりにくかったんですよね。でも、彼らも人間と一緒にその地域に住んでいた仲間だったことに変わりはない。だったら、そういう被災動物たちに少しでも力になれればいいと思ったんです。

 ――被災者もやむを得ず動物を置き去りにせざるを得なかった

 風弥:人間同士はもちろんですが、愛するペットや家畜たちと離れ離れにならなければならないのもすごく切なくなります。今でも「一緒に暮らすことができなくなった」という話を聞きますし。これまでは動物にまで気が向けませんでしたが、そういうことがあってもいいな、と。

 ――復興活動はこれまでもやってきたとか

 風弥:はい。ビジュアル系バンドが集まって立ち上げた復興支援プロジェクト「BLUE PLANET JAPAN」で活動してきました。もともとうちのバンドのボーカルの夕霧が、福島のいわき市出身だったので震災は人ごとじゃなかったんです。小学校に楽器を寄付したり、現地でライブをやったり…。こういうのは続けてこそ意味がある。

 ――楽曲のボーカルは広島出身女性のユニット「まなみのりさ」のみのり(27)が担当している

 風弥:もともと僕が高校生のときに一緒にバンドをやっていた仲間が「まなみのりさ」のスタッフだったんです。1年ぐらい前に「何か一緒にできたらいいね」と話していて、今回のチャリティーソングにつながりました。

 ――ペットを飼ったことは

 風弥:ハムスターとモルモットを飼ったことがあります。この楽曲を制作するときも、飼っていた当時のことを思い出しながら作りました。放し飼いにしたときに近寄ってきてくれたり、息を引き取ったときのことだったり…。どんなことを思っていたのだろうと想像しましたね。

 ――面白いのは歌詞に震災のことが触れられていないこと

 風弥:あくまでペットと人間の関係を打ち出したかったんです。ペット目線にこだわりました。

 ――ほかにも工夫したこと

 風弥:みのりさんのレコーディングはスタジオではなく、ご自身の部屋の中でスマホで行いました。ペットとの物理的な近さや、一緒に過ごす雰囲気を演出したかったからです。品質? 全然大丈夫。最近のスマホマイクの性能はすごいので(笑い)。

 ――ちなみに、3・11当日は何を

 風弥:ミュージックビデオを撮影していたんですが、ステージが回転するセットだったんですよ。でも回るにしても、揺れが激しくて、これは違うぞと。スタジオにテレビもなかったので、状況がよくわからず、怖かったのを覚えています。

 ――最後に

 風弥:動物は人を笑顔にさせてくれますよね。この楽曲がその笑顔をまた取り戻すきっかけになればいい。

☆かざみ=9月15日、神奈川県生まれ。ドラムとピアノを担当。3歳からピアノを始め、小学生の時にはすでに作曲していた。2007年3月に「DaizyStripper」を結成。08年、初シングル「ダンデライオン」でいきなりオリコンインディーズランキング1位を獲得。新アルバム「シン世カイ」が発売され、現在全国9か所18公演のライブツアーを行っている。※配信による売り上げは、被災動物の保護、救出活動を行うNPO法人「SORAアニマルシェルター」に寄付される。