演歌歌手・福田こうへい(41)が23日、長野県飯田市を訪れ、シングル「天竜流し」の舞台となった天竜川で川下りに初挑戦した。

 発売から4か月足らずで10万枚を突破した「天竜流し」。そのおかげか福田は、天竜川で川下りを運営する企業から「名誉船頭」に任命された。

 船頭の衣装を見事に着こなし「就職しようかな」とヤル気満々の福田。歌詞の一節にも「暴れ天竜」とある通り、流れが激しい川で、船頭として櫓(ろ)をこいでみせた。初体験の船頭に「こぐのも大変だけど、流れを読んでこぐ難しさもあった。この体験を歌に生かして『天竜流し』をひと味もふた味もいいものにしていきたい」と語った。

 シングルのヒットを背景に「選んでもらえるようにがんばりたい」と3年連続5回目の紅白出場を目指す。曲のヒットもさることながら、それ以上に目を見張るのがステージの本数だ。

 今年、こなしたステージはすでに125本。年間でも200以上の公演が予定されている。

「歌手の公演本数は全体的に下がっている」(音楽関係者)といわれるなか、これだけの公演をこなす歌手はそういない。“日本一客を呼べる歌手”といえるだろう。

 圧倒的な歌唱力が人気を支えているが、心配なのはノドだ。昨秋は、過労が原因で、声が出なくなり緊急入院した。ただ、この経験から「(伴奏の)音にこだわるようになった」と福田は言う。これまでは多少、伴奏の音質が悪くても「自分の声で調整すればいいと思い、無理もしていた」。それが入院につながってしまったが「だから、今は音にこだわって、ノドに無理がかからないように歌っている。ノドはまったく心配ないです」。

 よりよい音楽を追求する姿勢が、人気をさらに高めそうだ。