登美丘高モードを追うな!警鐘作家が見た「日本高校ダンス部選手権」

2018年08月21日 16時30分

 11回目となる「日本高校ダンス部選手権」が先日、行われた。昨年大みそかのNHK紅白歌合戦での大阪府立登美丘高校ダンス部のバブリーダンスは強烈だった。ハリウッドにも出たこのインパクトの大きさのせいか、今年のビッグクラス地域選抜の決勝戦は“登美丘モード”だった。

 大会当日、50チーム約1500人が高校ダンス部の日本一を目指す熱気の中、メディアは登美丘高に注目していた。会場で教師、生徒、保護者を取材した警鐘作家の濱野成秋氏は、こう語る。

「他校もドぎついメークでファイト満々の子らを見ていると、登美丘高モードのエピゴーネン(模倣、亜流)に思えて仕方がない。確かに紅白の舞台でのバブリースーツ、あれは、みんな本物のビンテージで、貪欲バブル景気に酔った大人たちへの痛烈な批判精神がみなぎって痛快そのものだった」

 今回、出場チームの大多数がストリートダンスのビートで、テクニックの多様化は昨年以上だったという。濱野氏が気になったのは衣装で、茶摘みのモンペ姿や妖怪モノまで登場して多彩だった。

「マンガ世代の発想か、ダンスが持つ洗練性からは遠のく。総じて見られるグロテスクメークはナンセンス時代への回帰か。意図は分かるが、地味さは拭えない衣装は総じて厚ぼったい。こってり味で暑苦しい。そこには残念ながら、登美丘高にある強烈な大人批判の訴えなどはない。アフターテーストが目立つ。ダンスは1に美、2におしゃれセンス、3にエレガンスだが、今年は没洗練性か。登美丘高モードを追うな。衣装もメークも強烈すぎるだろ」と濱野氏。

 そんな中、昨年の覇者、同志社香里高校(大阪)が虚飾を排して優勝した。

 濱野氏は「厚・暑モードがどのチームにも上滑って、振り付けと衣装がバッティングし、肝心の美的センスがそっちのけ。実力派の登美丘高が優勝を逸したのも例外ではない。時代は変わる。ダンスも一つ所にとどまらない」と語った。