電子たばこで吸引できる「覚醒剤リキッド」の恐怖

2018年08月16日 09時00分

 覚醒剤を液体に加工して電子たばこで吸引できる「覚醒剤リキッド」が“発明”されていた。熊本県警が3月、覚醒剤取締法違反(所持)容疑で逮捕した男女数人の関係先から先日、押収した。

 電子たばこは味や香り付けされたリキッドを吸入器で加熱して蒸気を吸うものだ。薬物に詳しい関係者は「覚醒剤を気化させて吸引する手法としては、ガラスパイプを使ったり、アルミホイルやスプーンに乗せてあぶったりします。そんなことを街中でやれるわけがありませんよね。でも、VAPE(電子たばこ)を使えば、堂々と公衆の場所で覚醒剤を使えてしまうんです。市販のリキッドに覚醒剤を混ぜても簡単に作れてしまう」と指摘する。

 覚醒剤リキッドが確認されたのは日本初。一方、大麻や他の違法薬物のリキッドも存在する。今年、大麻リキッドを所持していたとして、人気ラッパーのUZIが国内で初めて起訴された。

「使うと強烈なにおいを発する大麻も、リキッドにするとにおいがほとんど抑えられる。こちらは“普段使い”ができるとして、すでに若者の間で広まっています」(同)

 日常生活に溶け込んでしまうということは、今までの覚醒剤や大麻の使用法と比較しても圧倒的に流行しやすいということだ。覚醒剤を使用すると副作用として、暴れだす危険性があるのも周知の事実。

「禁煙のレストランでも加熱式や電子たばこを許可している店は多い。覚醒剤リキッドを吸って、真っ昼間から急に錯乱してナイフを振り回す使用者が出ないとも限らない」と危惧する。

 となれば、電子たばこを吸っている人に注がれるのは「いかがわしい物を吸ってるのでは?」という警戒のまなざしだ。あまりに蔓延すれば、電子たばこ自体に当局の規制が入る恐れもある。

 たばこ業界の関係者は「業界団体が今のうちに違法な要素を排除する仕組みを作るべき」と語っている。