俳優の寺島進(54)が5日、東京・上野公園で行われた「江戸まち たいとう芸楽祭」のオープニングにスペシャルゲストとして登壇した。

 寺島といえば、北野武(71)作品の常連で、「オフィス北野」の看板俳優としても知られる。しかし、3月に起きたたけしの独立騒動で同事務所が新体制となり、マネジメント業務が滞ったため、12月から「ジャパン・ミュージックエンターテインメント」に移籍することが決まった。

 たけしに11月末で所属事務所「オフィス北野」を退社すると報告した際の様子について触れ「あいさつに行った時『寺島は十分、義理は果たしたからな。この次(の映画)はかっこいい役を用意しているから。もう台本も書いたから』と、お土産話まで頂いた」と明かした。

 約30年の長い付き合いになるたけしについては「無名の時から自分を使ってくれて、育ての親であり、恩師であり、オレの親分」と語った。

 かつてたけしに名前ではなく“あんちゃん”と呼ばれていたころ「オマエは粘り勝ちだな。役者っていうのは引退がない。死ぬ間際に天下取ったらそれでいい」と言われ、「役者、やり続けていいんだな」とその言葉に励まされたという。

「江戸まち たいとう芸楽祭」は、たけしが実行委員会名誉顧問を務める。この日は、たけしがメガホンを取り、寺島も出演した映画「HANA―BI」(1998年公開)の野外上映が行われるとあって、ゲストトークでは作品に関する秘話も飛び出した。

「HANA―BI」は「第54回ベネチア国際映画祭」でグランプリとなる金獅子賞を受賞したが、寺島は「自腹で、単身で監督より早く現地入りし、レッドカーペットまで歩いた」と笑った。受賞後は、たけしが用意した特大シャンパンで乾杯したそうで「ぬるかったが、銀座で飲むドンペリよりうまかった。あの味が忘れられない」と振り返った。

 イベントには元たけしの付き人で、たけしの全てを知り尽くすという、お笑い芸人・アル北郷(46)も参加した。