フランスで行われた「第71回カンヌ国際映画祭」で、日本作品として21年ぶりに最高賞「パルムドール」に輝いた是枝裕和監督(56)の「万引き家族」が、大ヒットのスタートを切った。安藤サクラ(32)の演技が好評だが、同作では松岡茉優(23)も高い評価を受けている。ところが、なぜかバラエティー番組制作者が、大きなショックを受けているという。

 8日に公開された「万引き家族」は、12日に早くも興行収入が10億円を突破。14日には来場者数が100万人超えを果たした。同作ではリリー・フランキーと安藤が主演を務めたが、それに負けず劣らず、高評価されたのが松岡の演技力。安藤の妹という重要な役を見事にこなし、強い印象を残した。

「演技力ももちろんですが“制服コスプレ見学クラブ”で働くシーンにも果敢に挑戦し、意外な巨乳ぶりも話題になっています」(映画関係者)

 だが、女優としての評価が上がれば上がるほど、テレビのバラエティー制作陣からはショックの悲鳴が聞こえてくる。

 テレビ局関係者は「NHK『あまちゃん』にも出ていましたが、松岡は女優としてなかなか芽が出ず、最初に注目されたのがバラエティーだった。2014年、フジテレビ系で深夜に放送されていた『うつけもん』のアシスタントを務めていたんです」と指摘する。

 この番組で松岡は、MCを務めたおぎやはぎの激しいツッコミに対し、臆することなく軽妙に返し「あの子はできる!」と好評を博した。

「バラエティー番組のアシスタントは、見た目がかわいいだけでほとんど何もしゃべらない女の子が務めることが多い。でも松岡は、かわいいうえにトーク力が抜群。おぎやはぎ相手でも一歩も引かないトークを展開し、その後、バラエティーで引っ張りダコになった」(同)

 翌15年からは、フジが年に3回放送する大型ネタ番組「ENGEIグランドスラム」の司会をナインティナインとともに務めるまでになった。

「その実力は、大御所の明石家さんまさんや太田光さんも『あの子はすごい!!』と絶賛したほどです」(同)

 それほどバラエティーに対応できる能力を持っているが、最近は女優業が忙しくなってきた。それも当然の話で、昨年公開された主演映画「勝手にふるえてろ」の演技が評価され「第27回日本映画プロフェッショナル大賞」の主演女優賞を受賞するなど、女優としての頭角をメキメキ現してきたからだ。

 さらに今回、出演した「万引き家族」がカンヌでパルムドールを受賞したことで、今後は女優業に本腰を入れていくのは間違いない状況だ。

「まあ松岡はもともと、女優を目指していた。でもなかなか芽が出なかった。最初はバラエティーで売れたが、最近になってようやく女優として軌道に乗ってきた。もともとこっちの方が本人の夢だったからね。カンヌでも評価されたし、これからもっと大きな役のオファーが何本も舞い込むことになるから、バラエティーに出る時間はほとんどなくなるのでは」(映画関係者)

 松岡の力量を知るバラエティー関係者やお笑いファンには残念だが、夢に向かって突き進んでいるのだから仕方ない。