人気美女レイヤーが告白 コスプレの落とし穴

2018年06月22日 11時00分

取材に答えるかなさん。きゃしゃで色白なため、二次元のキャラがよく似合う

 日本最大の同人誌即売イベント「コミックマーケット(夏コミ)」が今年も8月に都内で開催される。コミケの華は趣向を凝らしたコスプレを披露するレイヤー(コスチュームプレイヤー)たち。コミケをきっかけにコスプレを始める男女もいるだろう。仲間もできて趣味も充実する活動だが、実は落とし穴も…。「コスプレを始めるとネットで叩かれることは避けられない。理不尽な世界です」。人気美女レイヤーが対人関係におけるトラブル事例を語った。

 本紙の取材を受けてくれたかなさん(25)はIT企業のOLだ。会社の同僚や学生時代の友達は活動のことを知らない。好きなゲームのキャラになるため、4年前の冬コミからデビュー。知識も知り合いも全くない状態から始めた。

 初心者がまず頼るネットや雑誌からは、衣装購入や制作のアドバイスが簡単に見つけられる。試行錯誤して自作した衣装を着て、会場を1人で歩いたかなさんに多くの人が声をかける。

「同じゲームのレイヤーや、カメラマンから声をかけられて交流ができます。ツイッターやSNSのIDを書いた名刺を交換して、その後もつながりができた。衣装もヘタだったけど、仲間も増えて楽しい記憶しかない」

 後日、新しくできた知り合いから「こんなイベントあるよ」と早速誘われた。20~30人のレイヤーが集まる小規模のオンリー(作品を限定)イベントでは、同じゲームを愛する者と集まったことで「コスプレは楽しい」という思いが強まった。このように、大小イベントや屋外・スタジオ撮影などを繰り返すことでレイヤーは経験を重ねる。

 ところが、わずか2回目のイベント後に、かなさんは早くもコスプレの世界の“闇”を見た。自分のIDをネット掲示板で検索してみると誹謗中傷が並んでいたのだ。「ブス!」「目が小さい」。楽しく交流していたのに、その笑顔の裏でこんなことを考えていたのか…。

 かなさんは「これはレイヤーの洗礼。知り合いが増えると、ほぼ必ずこのようにネット上で叩かれると思っていい」と強調する。どこの世界でも目立つ人間は叩かれるが、特にこの世界はそれが顕著だ。

 味方のフリをして「ネット上で叩かれてるよ」と教えてくれた相手が実は悪質な書き込みの当事者だというケースも多い。本人の近くに潜伏して観察を続け、ネットに批判や嘲笑を書き込む「ヲチ(ウオッチ=観察)」活動をする者まで。

 男女間のトラブルは非常に多い。「異性のレイヤーが、プライベートな部分に踏み込んでくる。ボディータッチも多い。ただ、初心者だと『こういうものかな』と勘違いしてしまう」。カメラマンとレイヤー、レイヤー同士で男女関係になることもある。ただ、濃密な関係性が構築されたコミュニティーなので、凶悪なストーカーにつきまとわれることもあるという。

 また、女性は肌の露出が多いキャラを演じると「痴女認定」される恐れがある。ローアングラー(極端な低いアングルから撮影する人)に代表される卑わいな写真を狙うカメラマンにも警戒したい。

 何をしても理不尽に叩かれる現実に、コスプレをやめてしまう人もいる。かなさんは「お世辞の1つや2つ言えたほうがいい。悪い印象を極力与えないこと」と具体的なアドバイスを示すが、コスプレの純粋な楽しみを他者の悪意から妨害されるのは腹立たしいことだ。「全員から好かれることはない。誰に何を言われてもマナーを守って楽しんでほしい」