今でも根強い人気の米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の第1話から今月で20周年を迎えるにあたり、同番組のチーフプロデューサーが、米誌「ヴァニティ・フェア」のインタビューで「撮影したことすら後悔している」お蔵入りシーンの存在を明かした。

 同ドラマは、ニューヨークに暮らす30代独身女性4人の日常をユーモアたっぷりに描いたもの。サラ・ジェシカ・パーカー(53)らが出演し、米国のみならず世界的に大ヒット。1998年の放送開始から2004年2月終了まで6シーズンにわたり、ケーブル局HBOが放送。08年と10年には映画版が公開され、大ヒットした。

 ドラマのクリエーターで制作総指揮を務めたダレス・スター氏(56)は同誌に、シーズン1の第7話で起きた問題の場面についてこう明かした。

 主人公の一人シャーロット(クリスティン・デービス=53)は、ボーイフレンドのマイケルが求めたオーラルセックスを拒否したことで口論になるという展開で、そのシーンは最後に使われるはずだった。ところが、実際に放送されたのは、マイケルとけんかして部屋を出て行くシャーロットを映した場面で終わっている。カットされた幻の衝撃シーンとは、一体どんなものだったのか。

 スター氏によると、脚本では部屋に残された欲求不満のマイケルが、こともあろうに愛犬のゴールデンレトリバーにペロペロさせ、そのおぞましい光景を部屋に戻ってきたシャーロットに見つかるという、とんでもない筋書きだった。

 脚本通り“獣姦シーン”も撮り終えてはいたが、編集段階で「ケーブルとはいえ、テレビドラマでさすがにこれはマズい」という局側の判断でお蔵入りが決定した。

 スター氏は「シャーロットが『私が悪かったわ…』と言いながら部屋に入り、ソレを目撃してしまうという設定だった。撮影したこと自体おぞましいけれど、何でそんなシーンを思いついたのかさえ今となっては分からない」と振り返った。

 90年代前半には世界中の若者たちの間でブームになった米ドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」も手がけたスター氏だが、このお蔵入りシーンだけは“黒歴史”のようだ。