パラスポーツを支援する「日本財団パラリンピックサポートセンター」のスペシャルサポーターを務める香取慎吾(41)の特別インタビュー後編では、香取が描いた壁画「i enjoy!」への思いや、2020年東京パラリンピックに期待する「未来予想図」を熱く語った。香取は「東京パラリンピックの成功は日本の社会が変わるぐらい大きなことになるかもしれない」と感じている。

 ――2020年のビッグイベントを前に伝えたいことは

 香取:2020年東京五輪、パラリンピックを楽しみにするのはもちろんですが、その前からも「楽しみ」はあるんじゃないかと思います。例えば、会場に足を運んだりすることとか、そういうことが凄く大切だなと感じました。僕も人のことは言えず、まだまだいろんなことを知っていかないといけないんですけど、まずは会場に1度でも2度でも足を運んでもらいたいなと思います。

 ――自分でもプレーしたい競技はありますか

 香取:「ボッチャ」はすごく分かりやすいですよね。ルールをちゃんと知って、あのセット一式欲しいなと思います。例えば、友達とお酒を飲みながら、プレーしても楽しそうですし、そういうところから競技を知るのもすごくいいなと思います。パラスポーツがもっと身近になるような気がしますね。 

※【ボッチャ】バドミントンコート大の平面に、2人(2チーム)がそれぞれ、赤か青の6個のボールを投げる、転がす、蹴るなどする。最初に目標としてコートに投げ入れられる白い「ジャックボール」に、いかに多くのボールを近づけるかを競う。類似性から「地上のカーリング」とも呼ばれる。脳原性疾患による四肢まひなど、比較的重い障害のある人のために考案された。競技名はイタリア語で「ボール」を意味する。

 ――パラスポーツ支援のために描かれた壁画「i enjoy!」への思いは

 香取:描いたのは数年前で「楽しもう!」って思いを込めて描いたものなんですが、それから(事務所移籍で)「新しい地図」が始まって、またスペシャルサポーターに就任することになりました。あの絵がパラスポーツと僕ら3人をつないでくれたって思いがあって、すごく不思議ですね。

 ――今年3月に行われたパラ駅伝では壁画が「レゴブロック壁画」になった

 香取:あの「i enjoy!」の絵はパラサポセンター本部の壁に描いたので、みんなが見られないことに、描いた後に気づいたんです(笑い)。それがレゴ壁画になって、いろんな場所に運べるようになった。いろんな場所で見てほしいですね。すごく不思議な感じですね。

 ――パラリンピック開会式はどうなる

 香取:人がごった返して、歩けないぐらいに超満員になってたらいいな、と思います。パラ五輪の開会式がそうなるのって、あまりないそうなんですよ。五輪はもちろん超満員みたいなんですが、パラリンピックはあまりないと。平昌を訪れる機会をいただいて、選手村を訪れた時、選手たちから「こんなのあり得ないよ! 慎吾ちゃんが選手村にいるんだよ! オリンピックじゃないよ、パラだよ! パラ!」って声があって。「本当にいいの?」って。「僕は来られてうれしいですよ!」って答えました。パラスポーツに関してはいろんな人たちが興味を持って、2020年大会を盛大に、華やかに開催されると、それこそ日本が、社会が変わるんじゃないかと。それぐらい大きなことなんだなと最近は感じています。

 ――具体的には

 香取:障害がある方との向き合い方、生活の仕方とか、難しさはあると思うんです。僕も実際にあります。だけど、パラスポーツをきっかけにして、そこを知っていけて、どんどん理解が深まって、2020年を迎えられて、大きな成功となった時にはそれ以降、共存の仕方、社会が変わるんじゃないか。それぐらい東京にパラリンピックが来ることって、大きなことなんじゃないかと、最近は感じていますね。

 ――パラ支援曲「雨あがりのステップ」が入場行進曲に採用された時には

 香取:うん、そうなっているとうれしいですね~。