“紀州のドン・ファン”こと和歌山県田辺市の実業家・野崎幸助氏(享年77)が変死した事件で、和歌山県警が6日、死因を「急性覚醒剤中毒」と発表した。さらに、35億円以上の遺産を相続する権利を持つといわれる22歳の妻Sさんの「AVに出演していた!」という、とんでもない過去までが一部週刊誌に報じられた。日本中の視線を集めるSさんと、謎だらけの死を遂げた野崎氏の“夫婦関係”を再追跡すると――。

 渦中のSさんは6日早朝、東京・羽田から和歌山・南紀白浜に飛んだ。野崎氏の会社関係者の車に出迎えられて午前、邸宅に移動。報道陣からの「奥さん、何しに戻られたんですか?」などの問いかけには一切応じず、サングラスで隠した目からも感情はうかがえない。

 田辺入りは法要のためとみられる。自宅に入ったきり一度も出てくることはなかったが、夕方に紙袋を持って入った会社関係者は「(Sさんは)元気です。(6日は)泊まります」と語った。

 一方、県警の男女数人の捜査員も午後、野崎邸を訪れた。十数分だけ滞在した捜査員は、Sさんが田辺市の自宅に戻ってくる機会を狙って、死因を伝えにきたという。同時に、県警本部は事件後初の広報文を出し「急性覚醒剤中毒」の死因と、死亡推定時刻を「5月24日午後9時ごろ」と明らかにした。これまで死因については、急性循環不全とみられていた。

 死亡推定時刻の約1時間半後、自宅2階の寝室で倒れている野崎さんをSさんが発見し、目立った外傷はなかったことになっている。県警は外部から何者かが侵入した可能性は低いとみているという。

 これまで県警は殺人容疑で野崎さんの自宅や、東京都内にあるSさん、家政婦のマンションを捜索したほか、関係者の尿検査などを実施し、事情を聴き、死亡の経緯を調べている。50億円ともいわれる野崎氏の資産の4分の3を手にするとされる法定相続人のSさん。県警はSさんも関係者の一人として、東京の自宅捜索や、スマホの情報や連絡履歴などを精査しているのは既報通りだ。

 そんなSさんについてあまりに衝撃的な過去が掘り起こされた。

 7日発売の週刊新潮が「少なくとも2本のAVに出演していた」と報じたのだ。ナンパもので“素人”として出ていたようだが、このAV出演の話は、ネット住人たちによりSさんのSNSの顔の画像といった個人情報などと比較検証されて、ネット上でも拡散中だ。

 また、同日発売の週刊文春は野崎氏にSさんを紹介した男性のインタビューを掲載した。

「とにかく美人、身長170センチ以上、20~25歳」の条件で女性の紹介要請を受けた男性は、Sさんに「野崎氏の目的はセックス」である旨を伝えたうえで昨年12月10日に引き合わせたとしている。その後、2人からお礼はおろか連絡も一切なく、結婚の事実も後に知ったそうだ。

 ラブラブかと思われていた2人だが、そこも一筋縄にはいかない。

 野崎氏の知人は「幸助は金で手に入れた女性への扱いがひどい。2年前に6000万円を盗んで逮捕されたハーフの愛人は『最初は金払いもいいけど、だんだんケチになった。それなのに何度も変態行為を強制されて割に合わない。逃げたい』と私に話した。前に離婚した奥さんの居場所を探って追いかけるストーカー気質なところもあった」と話す。

 こんな野崎氏の“別の顔”をSさんが垣間見ていたら、2人の関係が決して良好とは言えないものだった可能性もある。

 また、別の知人は「覚醒剤は経口で摂取された。殺されたのなら、どのようにして口に入れられたのか。死亡の数日前に苦しんで死んだ愛犬イブちゃんで“薬物実験”をしたのかもしれない。警察は庭に埋められた愛犬を掘り起こして調べたいみたいですが…」と語る。

 6日は雨続きだったにもかかわらず、野崎氏が亡くなっていた自宅2階寝室の窓は換気のためか常に開け放たれていた。未亡人のSさんは白い肩もあらわにしたハーフトップの格好。セクシーな女性を好んだ野崎氏に向けた若妻なりのせめてもの“哀悼の意”なのだろうか…。