モデルで女優の池田エライザ(22)が5日、名古屋市内で、主演映画「ルームロンダリング」(7月7日公開)の取材会を行った。

 自殺や他殺などワケあり物件に少し住んでは引っ越し、事故物件を“クリーン”にしてしまうルームロンダリング(部屋浄化)。池田が演じるのは、これを仕事にする主人公・八雲御子。天涯孤独でコミュ力ゼロの上、霊が見えてしまうというネクラ女子だ。

 読書家で「10代のころから類義語辞典を読んでいた」という池田は「言葉数が少ない人、不器用な人ほど頭の中でいろいろ考えてしまい、思いが強くなって、どういうふうに伝えればいいのか分からなくなる。私もそういうタイプで、困ると黙ります(笑い)」と役柄との共通点を挙げた。

 さらに、性格だけでなく「低い机の前で背中を丸めてうずくまるような感じで絵を描いたり、お風呂で小説を読んだり」と、しぐさなどが似ていることにも驚いた。

 初長編作となる片桐健滋監督がメガホンを取り、キャストにはオダギリジョー、渋川清彦、健太郎、光宗薫らが名を連ねる。撮影を続けるうちに、芝居が好きで女優をしてきたという池田の内面に変化が起きた。

「楽しいからだけじゃなく、確固たるエンターテインメントとして、皆さんが気持ちよくなれる要素をちゃんとお届けしたい。信念を持って、もっとクリエーティブに映画に関わっていきたい」と改めて女優業の魅力に気づかされたそうだ。

「この作品は私にとって再出発の場であり、セーブポイント。御子ちゃんを支えることで、みんな向き合えなかったことに向き合っていく。それはこの世界でも違わない。私もいろんな人と出会って心がどんどん浄化されていくと思う」。池田にとって作品は「ハートロンダリング」でもあったようだ。