大金持ちなのにお墓がない!! 4000人の美女に30億円を貢いだ“紀州のドン・ファン”こと和歌山県田辺市の実業家・野崎幸助氏(77)が、先月24日に変死した事件は和歌山県警による殺人容疑での捜査が展開されている。その野崎氏には、なんとも悲しい問題が生じていたことを本紙は突き止めた。資産50億円といわれる大富豪なのに“ある事情”のせいで、入るお墓がないというのだ。その事情の根源を探っていくと「最愛の母の金」と「骨肉の争い」に突き当たった。

 野崎氏の遺体は自宅の2階寝室で発見され、体内から致死量を上回る覚醒剤が検出されたのは周知の通りだ。死因は急性循環不全と特定されていたことが4日に明らかになった。

「美女4000人に30億円を貢いだ男」という内容の自伝に加え、今年2月に55歳年下のSさんと入籍したばかりだったことや、50億円ともいわれる莫大な財産があったことで、事件は世間の注目を浴びている。

 実はこの富に関して「実母の金」だったという衝撃情報を本紙はつかんだ。「この金が幸助の富の始まりであり、不幸の元となった」と話すのは幼いころからの友人だ。

 野崎氏は奔放な女遊びを赤裸々に自著で明かし「鉄くず収集」と「コンドームの訪問販売」で大金を稼ぎ、その後のサラ金業の元手にしたとされる。だが、この友人は「本ではそう書いてるが、鉄くずやコンドームの金は微々たるもの。実の母親が幸助かわいさに大きな“虎の子”を渡したんや。幸助はその金を使って金貸しを始めて成功したんや」と語る。

 だが、この息子かわいさの行為がきょうだいとの間に強烈なしこりを生んだ。

「両親が死んでから6人の子供で財産を分けたんやが、幸助さんと他のきょうだいでモメた。『おまえは母親から金もろたのに、分配するんか。先にもろてるやろ!』と相当なねたみが生まれた。あるきょうだいとは裁判まで起こしたと聞いてるわ」(友人)

 母親からの“えこひいき”によって富を手にした代わりに孤独になってしまった野崎氏。女遊びは寂しさを埋めるためだったのだろうか。そして今、新たな問題が浮上している。

 最愛の母親が眠っている自宅近くの寺に、今年2月、野崎氏はSさんと愛犬イブと女性1人を連れてやってきた。寺の関係者は「幸助さんは奥さんができるたびに、必ずごあいさつに来てくれる。2月にもつえをついてイブのリードを引きながら『今度結婚することになりました』とSさんを紹介してくれた」と語る。

 さらには、野崎氏はSさんと3度目の結婚をしたとされたが「幸助さんはお母さんのことを大事にしていた。お母さんも幸助さんのことは大事だった。奥さんになられる方は必ず連れてくる。これまでSさん含めて4人の奥さんを紹介してくれた」とも。

 父と母の墓前でSさんと手を合わせて結婚報告をしたという。先の友人は「幸助の墓はあの寺に決まったんちゃうか」と言うが、寺の関係者は「全く決まってない」と否定する。両親の墓の周りには空きもあるが、野崎氏本人が生前に自分の墓を建てる予定も「なかった」(寺関係者)。では、両親の墓に入るのかというと「ここに入ることはありません。両親の墓は幸助さんのお兄さんが守っています。きょうだいが幸助さんのお墓を建てることは絶対にないでしょう」(同)。

 兄は事件の後も父親の法事の準備で寺を訪れたというが、弟の野崎氏が亡くなったことについて一切口にしなかったという。骨肉の争いという言葉が当てはまるが、母親の金が狂わせたきょうだいの確執は野崎氏の死後もなお消えないようだ。

 先の友人は「ええところで女遊びをやめとけば、命を放ることもなかった。2年前に金盗まれたろ。そこでやめればよかった」と野崎氏の人生を振り返った。

 野崎氏は命も失ったが、母親の近くで眠ることもかなわないようだ。また、それだけ大事な母親への墓前報告を揃ってしたほど溺愛したSさんに疑惑の目が向けられていることを知ったら、草葉の陰でさぞ困惑していることだろう。