本誌客員編集長のビートたけし(71)が30日、東京・浅草の木馬亭で行われた「江戸まち たいとう芸楽祭 記者発表会」に名誉顧問として出席した。

「たいとう芸楽祭」は台東区が主催。浅草を中心とする江戸文化を広めるため、8月から来年2月まで開催される。

 たけしは「大学をクビになって浅草に流れ着いた。ひょんなことから芸人になってから人生の半分以上、浅草の人情と人間関係でもってきたようなもの。恩返しをしたい」と話した。

 主催者サイドが「このようなお堅い企画に協力していただけるなんて」と話すと、たけしは「こないだ驚いたのは、いつの間にか足立区の乾麺・うどんの名誉会長になってたこと。乾麺・うどんなんて食ったことないのに」と笑わせた。

 オープニングとなる8月4、5日には、たけしが監督を務めた「菊次郎の夏」と「HANA‐BI」の上映が上野公園で行われる。

 たけしは上野の思い出について「初めて映画を見たのが上野。『鉄道員』っていう悲しい映画を兄貴と見た帰り、コーヒー屋で悪いやつらに金を巻き上げられて、家までトボトボ帰った」と悲しい思い出を明かした。

 報道陣から「浅草や上野を舞台にした映画を製作する予定は?」と聞かれると、「こないだ浅草の芸人の話の『フランス座』って小説をやっと書き上げて、今直しの段階。今年の秋には出る予定」と告白。さらに「小説からの映画化ってのはオレは下手だし、ちょうど是枝さんがカンヌで賞取ったから、あの人にやらせようかな」と、カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞した是枝裕和監督(55)に撮ってもらうプランを披露した。

 是枝監督は、たけしが審査委員長を務める本社制定の「東京スポーツ映画大賞」の“常連受賞者”。たけしとの「共同作業」が実現すれば、その絆はより深まることになりそうだ。